研究紀要第63号 「教育課程の実施に関する研究」 -042/093page

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T.「『ぼくにいい考えがある』なんて.にこにこしていた時と違ってさびしく悲しかったでしょうね。」 青鬼の顔を裏返す。
T.「このお話は,何というお話か知ってますか。」
C.「知っています。泣いた赤鬼です。」
T.「そう,泣いた赤鬼というお話です。」板書
T.「この手紙を読んで泣いている時,赤鬼さんは,どんなことを思ったり,言ったりしているでしょうね。」赤鬼の顔を裏返し,吹き出しを板書。
C.「青くんは,ぼくのために旅に出たんだなあ,と思います。」
C.「どうして,行ってしまったんだ。」
C.「村の人たちと仲よくなれなくてもいいから,ここにいてほしかったなあ,と思います。」
T.「赤鬼さんがそう思っていたのに青鬼さんはどうして遠くへ行ってしまったのですか。」
C.「村の人たちに悪い鬼だとうらまれるし,赤鬼くんもこわい鬼だと思われるからです。」
C.「赤鬼さんと行ったり来たりしていると,村の人たちがうそだったと気づくからです。」
C.「赤鬼くんとつき合っていると気味悪く思って村の人たちが来なくなってしまうからです。」
T.「前に,親友という話が出ましたが,赤鬼さんと青鬼さんは,本当に仲のよい友達だということですね。」
C.「はい。」
T.「友達は,どんな心が大事でしょうね。」
C.「やさしい心,だと思います。」
C.「親切な心が大切だと思います。」
C.「助け合う心,です。」
C.「仲よくする心。」
C.「友達思いの心でつき合うことです。」
T.「みなさんの心の中にも,こういう心があるということと,このような心が大事だということですね。」
C.「はい。」

授業スナップ写真

T.「先生が小学校の1,2年生の時に一緒だった友達についてお話します。友達の中に,頭に角が生えているわけじゃないんだけど,やけどをした跡がひどく,頭の半分位毛もなくて気味が悪い人がいたんです。
 T君っていうんだけど,先生も気持ちが悪いので友達になれないでいたんです。
 ところが,先生が6年生のいじわるな子になぐられそうになった時,そのT君が,『そんなことしちゃいけないよ。』って,その6年生の子をやっつけてくれたんです。
 それから,先生はT君と仲よしになって,今でも年賀状や手紙をやりとりしているのです。
 それで,私は,人をちょっと見ただけで.『あの人はこわそうな人だなあ。』とか『何か汚ないようでいやな人だなあ。』などと決めてしまってはいけない,といつも考えているんです。」
C.全員うなずく。
T.「これで,道徳の勉強を終わりますが,家に帰って,お母さんや家の人たちともう一度ゆくり読んで見て下さい。」(資料を渡す。)
T. 終わりに鬼の顔の形だけ書いておきました。好きな色に染めたり,顔を書いたりしてもいいし,感じたことなどを書いてみて下さい。」
―間もなく終了のチャイムが鳴る―


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