(3)学習到達基準を設定した指導計画の作成
授業においては,生徒に学力を身につけさせることが大切であるから,教科書を十分研究し生徒の学習のしやすさや教師の指導のあり方も考えて指導計画を作成しなければならないと考える。
そこで,単元の指導計画作成のための観点を次のようにおさえて作成をした。
1 学習指導要領の目標及び内容に照らし,生徒の実態を考慮して作成する。
ア.生徒の学力の実態を的確にとらえて,指導目標を設定する。
イ.どの生徒にも到達させなければならないものを明確にする。(学習到達基準)
2 教材の精選と指導の重点化を図る。
ア.教材の系統性を把握し,学習の順次性を明確にして,指導に見通しをもたせる。
イ.ゆとりを持って主体的に学習する時間の確保をする。
ウ.基礎的・基本的事項を明らかにし,生徒一人一人に確かな学力の定着を図る。
具体的には,まず,前述の(2)の指導の4段階に単元の学習内容を順次性や発展性を考慮しながら位置づけた。次に,単元の学習内容を下の図に示すような手順で目標分析を通して行動目標を設定し,その行動目標が学習到達基準として活用できるよう指導計画に位置づけた。
(P. D7〜D9参照)
学習指導要領・数学科の目標・内容.中学校指導書数学編 |
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単元における指導の目標 |
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目標分折の一般的手順 |
指導・学習目標(内容)の洗い出し
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指導・学習目標(内容)の精選
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行 動 目 標 の 決 定 |
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学習到達基準の設定(学習目標)
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教師の教材観,児童・生徒の実態,教科書・教師用指導書 |
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(4)主体的な学習を位置づけた指導過程の設定
図形の証明指導においては,とかく教師の一方的な教え込みになりがちである。しかし,生徒にとっては,教師から強制的に与えられたのでは,喜びや充実感を味わうことはできない。逆に,生徒が自分自身の力で証明することができたなら,その証明の方法や探し当てた過程は確かな知識として身につくだろう。
したがって,論理的な思考力や表現力を高めるためには,生徒が興味・関心を持って自発的・自主的に学習に取り組み,生徒自らが,問題を解決しようとする主体的な学習活動の場を位置づけることが大切であると考える。
そこで,授業における学習活動の流れを下の図のように計画するように考えた。
図の中央の点線で囲まれた部分(A,B)が,主体的な学習活動の場である。学習内容や生徒の実態を考慮しながら,AとBを合わせたり,AとBのどちらか一方だけに位置づけたりするようにして指導過程を組み立てる。(P.DlO参照)