研究紀要第66号 「中学校理科の学習指導に関する研究」 -010/106page
2.空きビンを用いた「気体の重さ」の指導
1.はじめに
気体の重さの測定法としては,空気入れとスプレー缶を用いた空気の重さの測定やガスライターを用いたブタンガスの重さの測定があり,これらは実にすぐれた実験法である。しかし,揮発しやすい液体についてはその蒸気の重さもまた測定することができるし,この方法は更に発展し得る要素を含む。ここではドリンク剤のビンやジュースなどのビンを用いてアセトン蒸気の重さを調べてみる。この実験に必要な等容積の器としては,大量に製造されるドリンクビンがその均質さと大きさにおいて実に格好な素材となる。
2.素材の活用と指導法
(1)試薬と器具
アセトン,精密てんびん,ドリンク剤のビン2本,メスシリンダー(100mの,水そう,カップメンの容器,注射器(1mg),ゴム栓3個,ゴム管3本,ガラス曲管5本。
(2)実験
1) 乾いたドリンクビンとジュースのビン,水そう,メスシリンダーなどを用いて図のような装置を組む。ゴム管の先はメスシリンダーの底部まで入れておく。
2) 注射器にアセトンを0.1mgはど吸い上げてその重さをはかり,これを1本日のドリンクビンに注入してすぐにゴム栓をする。次にもう1度注射器の重さをはかる。
注射器とアセトンの重さの和 g 注射器の重さ g 注入したアセトンの重さ g カップメンの容器 g
3) カップメンの容器に熱湯を8分目はど入れ,この中にアセトンを注入したドリンクビンをひたす。
4) 気体の発生が止み,メスシリンダーの水面が静止したら,ゴム管を水そうの外へ出して気体の体積を読む。
膨張した空気の体積とアセトンに追い出された空気の体積の和 ml