研究紀要第66号 「中学校理科の学習指導に関する研究」 -020/106page
2(丸囲み) 実験方法は前ページの図1のように,ニクロム線と豆電球をそれぞれ入れた二つの同じ容器に,等量の水を入れ,電流又は電圧を変えて電流を流し,そのときの電流・電圧測定と5分間での容器内の水の温度上昇を測定し,下記のようにデータを処理しながら,図2のような,電力量と発熱量の関係のグラフを作る。
3(丸囲み) 留意点
ア 理論発熱量(Q)=0.24×電流×電圧×5×60 (Q=0.24Wt)
イ ニクロム線と豆電球の発熱量=1cal々℃×水の重さ×(終りの温度-始めの温度)
ウ 電力量(電気エネルギー)=電流×電圧×5×60
図一2 豆電球の有効エネルギー変換測定グラフの例
ア 豆電球のフィラメントは温度により抵抗値が大きく変わり,同じ抵抗値のニクロム線を求めることは容易でない。そのため,図2のようにグラフ化しなければならない。
イ 同じ電力量(電気エネルギー)を加えたときの有効エネルギー変換率の求め方
豆電球による電気エネルギー (ニクロム線の発熱量)−(豆電球の発熱量)
から光へのエネルギー変換率 (豆電球の電力量による理論発熱量)
4(丸囲み) 実験結果の活用(次の点をつかませ,理解させたい。
ア 豆電球に加えられた電気エネルギーは,すべてが光に変わるのでないこと。つまり,有効に使われているものはその一部であり,むだに使用されている物が多くあること。