イ 豆電球は,その用い方により効率がちがい,規定の電流・電圧のとき,全体として一番効率がよくなること。(電流・電圧が大きい程、効率は良くなるが,電球が切れる。)
ウ 白熱電球は,その使用目的とする光のエネルギーが,加えた電気エネルギーの10%以下であること。(できるだけ,有効エネルギー変換率を計算させてみるとよい。)
エ 同じ電気エネルギーを用いても,もっと効率のよい使用法を考えさせ,蛍光燈の使用理由を考えさせる。
なお,東芝家電の管球部横須賀工場たよる有効エネルギー変換率は次の通りである。
100V用白熱電球 |
100V用蛍 光 燈 |
10W 20W 40W 100W
6.8% 7.2% 7.8%10.0% |
10W〜100W共通
21.2% |
但し
熱・・・・・・・・40.4%
赤外線・紫外線等 38.4%
可視光線として 21.2%
|
(※ 但し,どちらの有効変換率も,気温や電圧・使用法等により多少変化する。)
(2)指導過程の概要と指導の重点・留意点
(1)指導過程の概要(2時間扱いとしたい。)
同じ電力の白熱電
球と蛍光燈の明る
さの比較(演示)
|
⇒
豆電球の有効エネル
ギー変換率測定(生
徒,グループごと)
|
⇒
⇒
・白熱電球と蛍光燈の有
効エネルギー比較(資料)
・原子力・風力・太陽発電
|
⇒
(2)指導の重点・留意点
ア 白熱電球に比して蛍光燈は,有効エネルギー変換率が2〜3倍大きいため,同じ明るさとして使用するときは,2分の1〜3分の1倍の電気エネルギーで良いことになる。従って,発電に用いる石油・石炭・原子力などをそれだけ節約でき,限られたエネルギー資源の有効な活用が図られる。
イ 同じような意味で,蒸気機関車の有効エネルギー変換率6%より,一度,石炭を電気に変え電気機関車として用いると,有効変換率は倍以上(16〜45%)になることなどを例として知らせ,省エネルギーのあり方を考えさせる。
ウ 逆に,限られた石油・石炭・原子力エネルギーの使用だけでなく,無限にある風力・太陽等のエネルギーの活用法を考えさせるようにする。
3.ま と め
生徒は,石油・石炭は石油・石炭とし,電球は電球と単独に理解し,エネルギーの移り変わり,その間の効率などについてははとんど理解していないし,教師も教科書に従い原子エネルギーによる発電の仕組みなどを重点に指導しがちであるが,もっと身近なエネルギーについて十分理解させ,正しい省エネルギーの概念を前述の実験等によりつかませるようにしたい。そして,中3の終わりに位置する教材であるから,できるだけ自主的に探究させ,科学的な態度・技能等も十分身につけさせて,今後の生活に役立たせるようにしていきたいと思う。