研究紀要第66号 「中学校理科の学習指導に関する研究」 -027/106page
(2)使用材料
教科書(A5版) 184×210mm
文庫本(A6版) 105×148mm または A6版相当の厚い板
(3)使用例
3.留意点とまとめ
この方法を用いると熟慮は温度との違いが視覚的に明確になり,特に,温度の異なる水のまぜ合わせについての理解を助ける手軽な教材として有効であろう。ただ,水の質量が簡単な整数比のまぜ合わせの場合しか演示できない。また,移動する熱量を視覚モデルで確認できるのはよいが,積み上げた本や板の体積は,ある物体が持っている熱量を示すものではないことに留意しながら用いていただきたい。したがって本や板の積み上げる高さは任意でよい。問題は高さの差(温度差)だけである。
以上の方法は,生徒一人一人が思考しながら容易に行うことができ,単なる知識の記憶に終わらず熱量と温度について正しい概念を理解する一助とすることができる。