研究紀要第66号 「中学校理科の学習指導に関する研究」 -032/106page

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(2)ミジンコの培養法
 ミジンコの培養はバクテリアを増殖させた培養液にミジンコを入れ,培養することが一般的であるが,このバクテリアの培養がめんどうであったり,ミジンコの増殖が一定でなかったりする点で問題がある。
 ミジンコを簡単に培養するには,うどんを餌にして与えると,これを食べて増殖する,しかも,水もあまり汚れないので高密度で培養できる。
 直径15cmはどのシャーレに精製水(塩素を除いた水)を入れ,採集したミジンコを入れる。餌として乾麺をゆで,水にさらしておいたものを少々入れると,これに多数のミジンコが群がって食べる。1〜2日に1回水と餌のうどんを取り換える。
水を取り換えるには,図3のようなこし器を用いるとよい。直径10cmほどの塩ビ管を巾1.5cmほどに切ったもの2個用意し,その1個の一部を切り取り,他の1個の内側に入るようにして,この間に目のこまい水切れのよい布をはさんで耐水性の接着剤で固定する。
 水を取り換えるときは,このこし器を流しに置き,この上からシャーレのミジンコの入った培養液を注ぐ,こし器の上にはミジンコのはかに食べ残しのうどんや,脱皮したからなどがあるので,これを取り除くには,このこし器をシャーレに入れ,静かに精製水を注ぎ,布の上まで水を入れるとミジンコはいっせいにシャーレの周囲の方に移動してこし器から離れる。5分程おいてこし器を静かに取る。これにうどんをいれて培養を続ける。

図3 こし器
図3 こし器

 (3)ミジンコの観察指導法
 ミジンコの観察には解剖顕微鏡または,双眼実体顕微鏡を用い,ホールスライドグラスのかわりにフィルムケースの蓋(透明なもの)を用いると観察しやすい。(図4・5)

図4 フィルムケースの蓋に入ったミジンコ
図4 フィルムケースの蓋に入ったミジンコ

図5 解剖顕微鏡にセットしたところ
図5 解剖顕微鏡にセットしたところ


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