研究紀要第66号 「中学校理科の学習指導に関する研究」 -033/106page

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観察指導
 準備 シャーレに培養したミジンコ,解剖顕微鏡………(班どとに準備)
スポイト,ルーペ,フィルムケースの蓋……‥…・(生徒各自に1組準備)

観察の手順
 1 培養している状態のミジンコの様子をルーペを用いて観察する
*ミジンコはシャーレのどの部分に多く集っているか。
*ミジンコの運動のしかたは,また種類のちがいによってはどうか。
 2 スポイトでミジンコをフィルムケースの蓋に取る。
*ルーペでミジンコがいることを確認する。
 3 解剖顕微鏡で観察し,スケッチをする。
*ミジンコ,タマミジンコなどについては,殻の内部の構造についてもくわしく観察する。
*スケッチは鉛筆を用い,線や点で描くようにし,ぬりつぶさないようにする。

留意事項
 1 いくつかの種類のミジンコをまぜあわせて培養しておくと観察に都合がよい。とくに,ケンミジンコは運動が独特なので必ず入れるようにしたい。
 2 普通の顕微鏡を用いるときは,対物レンズを4倍にして観察する。もし4倍の対物レンズがないときは別途に購入(消耗品として購入できる)して高倍率のレンズとつけかえて準備しておくとよい。
 3 解剖顕微鏡のない生徒はルーペで観察するように指導し,ただ待っていることのないようにする。
 4 上記の培養用の大形のシャーレは高価なので深めの鉢受け皿(6号鉢用)を用いるとよい。

4.まとめ

 水中の小さな生物の観察には,いろいろな微生物が入っていると思われる水槽の水などを観察させるとともに,ミジンコを培養して生徒各自に同一の材料を与えて,確実に観察させることも大切であると思う。
 ミジンコは肉眼でもその存在が確認できるほどの大きさであり,ルーペでも観察できるなど,扱いやすく,また池や川などどこにでもいる身近な小動物であるので,観察材料として優れていると思う。


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