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身のまわりの生物の観察の単元で,分類カードを用いて,どのように展開したらよいかを述べる。この単元は5時間で取り扱われているのが,一般的と考える。図−3はこの単元終末の2時間の展開を表したものである。
最初の3時間は「種子植物の花と果実」「裸子植物のつくり」「被子植物のつくり」にあて,その後の野外観察を含めた授業の展開である。
前時の花のつくりの既習内容をおさえて,教師が分頬の特徴をもとに分類カードを作成し準備しておく。次に,このカードをOHPで投影しながら,話し合い活動を通して,理解させていく。さらに,一種類の植物について,特徴をまとめさせ図鑑をもとに,植物名まで見つけさせる。整理させた後,各班で確認し合い,分頬カードの特徴をふまえて発展させ,まとめとする。この段階までが1時限である。
2時限(5時間目)は,5〜6種類の代表植物について,生育場所を調べさせる。ここで,生育場所の違いから,日光やふまれ方の環境条件について考察させる。ここまでの展開でこの単元は十分と考える。前述した,2(丸囲み)の植物については,自由研究などの発展学習として取り扱ってよいと考える。春,夏,秋,冬と調べさせることによって季節による植物の移り変わりの大きさに,興味と関心をもつようになる。野外学習で,分類カードをもとに,直接植物に触れさせ,ひとつでも多くの植物を覚えさせることは,日ごろ何気なく見過している植物に親しみを感じさせ,学習意欲の高揚につながると考える。 |
3.まとめ
植物の特徴をおさえた見分け方をもとに,植物を理解していくことは,記憶をより確かなものにしていく。ここに述べた分類カードや観察の方法は,一方法にすぎないが,各自思考をこらし,より良いものに作り変えて是非活用してはしいものである。野外学習では,教師自身が根気強く,意欲的に,自然に接して行こうとする姿勢が,生徒を自然に目を向けさせる第一歩であると考える。