研究紀要第66号 「中学校理科の学習指導に関する研究」 -039/106page
く。(1日に,2〜3回,水道水をとり替える)。バクテリアの発生を防ぐため。
3(丸囲み) 水温20℃で2〜3日間置くと,ミズカビが着生する。(図−2)
ピンセットで静かに
とり400倍で検鏡→
図−2 水力ビの発生様子と顕微鏡写真
4(丸囲み) 検鏡に便利な方法として,図−3のようなホールスライドガラスを用いる方法がある。
ホールスライドガラスの中央に,スルメ(1mm×2mm)を入れ,自然水を入れシャーレに沈めて培養する。ミズカビが着生したら,ホールスライドグラスを静かに取り出して,検鏡する。観察後,また,水中にもどしておくと生長の様子がわかる。
図-3 スライドガラスを用い土培養法(2)観察の方法
1(丸囲み) 図−2のように,ミズカビの先が少し黒っぼくなり,菌糸の先端に遊走子ができたころ,ピンセットで静かに取り,400倍の倍率で検鏡する。
2(丸囲み) 2本のべん毛をもった動きまわる胞子(遊走子)が見られる。観察を続けていくと,遊走子が一度泳いで球形になり,次に,膜をぬいで,第2次の遊走子になって泳ぎ,有機物に着生して繁殖する。3.まとめ
(1)クノップ液50mgにエンドウの種子3個加え,これを三角フラスコに入れ,煮沸してのちろ過しミズカビの菌糸を入れるとよく菌糸が発達し,遊走子を短い時間に観察できる。
(2)ミズカビの培養と観察は,容易であることから,カビの胞子や菌糸の様子と働きを理解させるのには,よい素材である。一種類の水だけでなく,いろいろな場所の水で培養を試みると,水の違いによるミズカビの生長も学習できる。