研究紀要第66号 「中学校理科の学習指導に関する研究」 -041/106page
(3)滅菌
ビンに詰めた培地を蒸し器に入れ,1時間はど蒸し威菌する。(図3)
各班3個で10班のときは合計30個になり,蒸し器1つに5〜6個人るので,蒸し器も5〜6個必要になる。調理室などのものを利用するとよい。
この過程は授業時間の中ではできないので別に時間をとる必要がある。
部活動などのときはここまでの過程を一つの流れとして行うとよい。
図3 蒸し器に入れた培地
(4)ヒラタケ菌の移植
滅菌した培地が十分冷えてから菌の移植をする。
ヒラタケ菌は市販のヒラタケ(図4)の組識の一部を用いる。移植の手順はまずアルコールランに点火し,その炎の中をピンセットを通して滅菌する。
ヒラタケの1本を株から離し,茎の下部を指でつまんで縦に裂き,雑菌のつかない内部の組識をンセットでつまみ取る。(図5)
培地を被うラップをわずかに開け,この組織を培地の中央に移植する。
図4 市販のヒラタケ
図5 組織をつまみ取る
(5)菌の培養
菌を移植した培地は定温器に入れ,22℃に保つ,5月〜10月の期間は室温でも十分に菌糸が生長するので定温器は不用である。
3日程すると移植部より白色の菌糸が円形にひろがっているのを観察することができる。(図6)
移植後30日はどで培地全体が菌糸で白色になる。
この菌糸の生長の状態は時々観察させ,記録するように指導する。
図6 菌糸の成長