研究紀要第66号 「中学校理科の学習指導に関する研究」 -042/106page

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(6)キノコの発生の観察
 菌糸が生長して培養基全体が白色になったら培養ビンのラップを取り,中央部の菌糸を少し掻き取り,室温(15℃以下)で直射日光の当たらない,やや明るい場所に静置し,時々霧をかけて湿度を保つようにすると,5日はどで菌糸を掻き取った場所に小さなキノコの発生の様子を観察することができる。(図7)
 キノコ(子実体)は気温にもよるが,1週間はどで生長する。(図8,9)
図7 キノコの発生
図7 キノコの発生
図8 成長途中のヒラタケ
図8 成長途中のヒラタケ
図9 成長したヒラタケ
図9 成長したヒラタケ

(7)ヒラタケとその胞子の観察
 生長したヒラタケを培地からぬきとり,次のような手順で観察させる。
1(丸囲み) ヒラタケ株の様子の観察
 培地の量にもよるが10−30本が1株となって発生するのでそのようすを観察する。
2(丸囲み) キノコ(子実体)の観察
 株より1本のキノコをとり,かさの形・ひだの様子・ひだと茎の関係などについてくわしく観察し,スケッチをする。また,縦に裂いて内部の様子も観察する。
3(丸囲み) 菌糸の観察
 培地の菌糸をスライドグラスに載せ,水を1滴落し,カバーグラスをかけ,顕微鏡で観察する。(図10)
 キノコ(子実体)の一部を取り,スライドグラスに載せ,水を1滴落し,柄付き針で裂いてカバーグラスをかけ,少し押しつぶして顕微鏡で観察する。(図11)
 どちらも菌糸であることを確認する。
4(丸囲み) 胞子紋の採取と胞子の観察
 生長したキノコのかさの部分をとり,黒色の紙の上にひだの部分を下にして,1日はどおくと,ひだの形に白い胞子が落ちて,放射状になっている様子を観察することができる。(図12)


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