研究紀要第66号 「中学校理科の学習指導に関する研究」 -043/106page

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 これは,観察目の前日に準備しておく。
 キノコのひだの部分をとり,胞子をスライドグラスにすりつけて,水を1滴落し顕微鏡で観察する。(図13)
図10 培地の菌糸
図10 培地の菌糸
図11 キノコを構成する菌糸
図11 キノコを構成する菌糸
12 胞子紋
12 胞子紋
図13 ヒラタケの胞子
図13 ヒラタケの胞子

(7)教材として用いるときの留意点
 1(丸囲み) 種菌となる市販のヒラタケはかさの小さいオガクズ栽培の品種が良い。
 2(丸囲み) 授業の中で取りあげるのは下記の3時間とし,生長の経過については,授業の前後や放課後などに観察させるようにする。
  1時限  培地を作りビンに詰める作業
  2時限  ヒラタケ菌の移植の作業
  3時限  ヒラタケとその胞子の観察
 3(丸囲み) 生物の種類と生活の教材として取りあげたが,分解者のはたらきの教材として用いることもできる。

3.まとめ

 このヒラタケの栽培実験は,菌の移植から発茸・生長して観察できるまで40日はど日数を要する点,実際に授業に取り入れるのは大変であると思われるが,菌糸の生長の様子や菌糸の中に極めて小さく現われた子実体が,たちまち生長して大きくなる様子など,生徒の興味・関心を引き出すには良い教材であると思われる。


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