研究紀要第66号 「中学校理科の学習指導に関する研究」 -047/106page

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(2)観察・実験の方法と指導
1) 原形質流動の観察
ア 葉の細胞のつくり イ 原形質流動のようす
ア 葉の細胞のつくり イ 原形質流動のようす

 材料として,使用する葉の切り方は,葉を根もとの方に引っばると葉がいたまないで取れる。古い葉では,緑藻やケイ藻が付着しているので,ガーゼでふいてから使用するとよい。原形質流動の観察には,通常細胞で十分観察されるが,流動速度などを求めさせるときは,中肋表皮細胞でストップウオッチやミクロメーターを用いるとよい。葉の表の細胞は,大きく観察し易いので,プレパラートを作るとき,葉の表が上になるようにするとよい。観察し終わった葉は,また,水の中に入れておくと1週間はくり返して使用できる。

2) 葉緑体の移動
葉緑体の移動  葉緑体は細胞の中にある光合成の工場であるがこの葉緑体が光の強弱によって,左の図のようにオートマテックに細胞内で位置を変える。
ア オオカナダモの葉を暗室の中に1日おく。
イ その葉の一部を,50〜100Wの電球で20〜2500はなして照らす。
ウ 約30分後,暗室中のものと強い光をあてた二種のオオカナダモの茎から葉をひきちぎり,10%のホルマリン液で固定し,葉をスライドガラスにのせ検鏡する。

 細胞が生きているかどうかの証拠として原形質流動の観察が取り扱われているが,オオカナダモを用いると理解し易い。授業の展開で,原形質流動だけを観察させるのでなく,葉緑体の移動をも,観察できるように,教師自身が,あらかじめ準備しておき,生徒に観察させることによって第3学年の光合成教材のつなぎとなり,生徒の理解をより確かなものにすると考える。

3.まとめ

 細胞が生きているかどうかを指導する際,原形質流動の観察の材料として,オオカナダモは,観察し易く,わかりやすい点すぐれた材料である。培養も前述のように,比軽的簡単にできるので,是非各学校で試みてほしいものである。オオカナダモに似ているものに,コカナダモやクロモがある。これらは寒さに強く越冬もできるので,これらについても培養を試みてはしいと考える。
 当教育センターでは,オオカナダモを培養しているので,必要な場合はど連絡ください。


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