研究紀要第66号 「中学校理科の学習指導に関する研究」 -048/106page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

18.アオミドロを用いた「デンプンの検出」に関する指導

1.はじめに

 従来,緑葉を用いてのデンプンの検出に,緑葉からアルコールで色素を脱色し,ヨウ素液反応で確かめる方法が取られている。この方法は,アルコールが非常に引火し易いという問題がある。アルコールを用いない方法として,たたき染めによる方法が取られるようになってきているが,緑葉で,光合成が行われるという肉眼の段階でしかない。葉緑体の部分ですべて光合成が行われていることを理解させるには不十分である。ここでは,この内容の指導に適しており,手軽に得られるアオミドロを用いて,葉緑体の部分で,光合成が行われていることを,直接同化デンプンを顕微鏡で検鏡させることによって,理解させようとするものである。

2.棄材の活用と指導法

(1)準備物
  アオミドロ,スライドガラス,カバーガラス,ペトリ皿,ピンセット,スポイト,ビーカー
  漂白済(ハイター),ヨウ素溶液,エチルアルコール,カルノア液
(2)観察方法
図−1(丸囲み)
図−1(丸囲み)
1(丸囲み) 2〜3時間十分に光をあてたアオミドロ(電燈の光でもよい)を図−1(丸囲み)のようにカルノア液に入れ固定する(10分間)
・カルノア液…‥…無水アルコール3:氷酢酸1
図−2(丸囲み)
図−2(丸囲み)
2(丸囲み) 図−2(丸囲み)のように,約5倍にうすめた漂白済(ハイター)に,固定したアオミドロを入れ,葉緑体をとり去る。
・カルノア液で固定しないで,漂白済に入れて 脱色すると,緑葉体の形がこわれてしまう。
観察結果 3(丸囲み) 葉緑体がぬけたら,水に入れて,水あらいをしてから,スライドガラスにアオミドロを2〜3本おき,ヨウ素溶液を加えカバーガラスをする。150〜600倍の顕微鏡下で観察する。
(左の写真は観察結果である)


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は福島県教育センターに帰属します。