研究紀要第66号 「中学校理科の学習指導に関する研究」 -053/106page

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注 太陽を観察するときは,直接のぞくと目を痛めるので,かさの上にフィルターとしてプラスチック製の色下敷をのせて,それを通して観察する。

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 洋がさ利用の天体記録装置と同じ考え方で,より正確にしかも全天をカバーするためには,大型透明半球を利用するとよい。
 透明半球を,丸くくりぬいたベニヤ板に取り付,そのベニヤ板上に地平面の方位を示す糸を張って図−3のようにして観察する。透明半球の地平面の高さは約1〜1・5mとし,水平になるように,しかも下に観察者が入るように設置し方位を合わせる。観察しようとする天体は,糸の交点を通してねらい,目の中心と天体とを結ぶ直線が透明半球面と交わるところをソフトペンで記録する。

図−2 鉄製スタンドに取り付けた透明洋がさ
図−2 鉄製スタンドに取り付けた透明洋がさ
図−3 透明半球利用天体観察記録装置 図−3 透明半球利用天体観察記録装置
図−3 透明半球利用天体観察記録装置

3.まとめ

 教科書にも透明半球が使用されているが,これは透明半球の外側(天球外)より,その中心に影を写すことにより間接的に位置を記録するものである。これでは太陽と月の観察にしか使えないし,生徒にも理解しにくい欠点がある。手軽で,身近な素材として用いた洋がさは,かさが完全な半球でないため,地平線近くの星は記録できにくいという欠点はあるが,かさをいくつか組み合わせるとか外そう法をとるとかすればカバーできる。大いに利用してほしい。


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