aは,地軸が太陽光に対して直角に位置している場合で,この場合は,一定の太陽高度で,24時間の旭が昼で,鳩が常に夜であることになり,一年を通じ昼夜がそれぞれ長さが一定になる。生徒たちの観測結果からは,一年を通じて「一定の太陽高度で,昼夜の長さが同じ」という結果は得られないことから,この設定は誤りであることがわかる。
bについても,太陽に対する軌道上の位置がaと反対の場合をあげたので,aと同様の結果になるであろう。
次に,Cの場合は,地軸が,太陽光(地球の公軸軌道面と一致した場合)と一致した場合で,この位置で地球が自転した場合は,太陽高度が一定で,沈まない。すなわち,夜がなく常に昼ばかりという状況になることから,事実と一致しない。
さらに,dの場合については,地軸が太陽光に対して傾いている場合の想定である。この場合は,昼と夜があり,太陽変度が一日のうちに変化し,出没関係も認められよう。
しかし,eの場合(太陽を中心にdと反対側)に比較して,太陽高度が極めて低く,冬至の場合が考えられる。また,eの場合は夏至の位置の場合と考えることができる。
このように,太陽光の方向(地球の公転面の方向)に対して地軸がどのような角度で面しているかを想定し,それぞれの場合について,生徒の観測結果を比較して,その結果がモデルと一致するところを見い出して,結論へ導くことは,科学の方法として重要であるだかりでなく,定着度も高まっていくことも事実である。
3.まとめ
観測した結果を発展させ,思考の段階を飛躍することなく,導くことは,きわめて重要である。この題材についても,や、もすると結論(地軸が傾いているから,四季を通じての,南中高度の変化がある)のみの指導におわり,事実(観測結果)との間に何らの関連性を見い出すことなく知識としてのみ記憶してしまう結果になる場合も予想される。その点,前述の方法が適切かと思われる。
図−2のTPはa〜eまでの5葉に表記したが,作図にあたっては,中心部分(地軸・赤道・緯度による地平面を含めた部分)を回転するように留意すれば,一枚のシートで全部の場合が再現できる。
|