研究紀要第66号 「中学校理科の学習指導に関する研究」 -059/106page
以上の学習過程の中で実験装置を活用した前線モデルから
a 温度(気温)に注目する。
b 風向・風速をaの条件につけ加える。
c 天気と雲の変化を結びつける。
d 雲は暖かい空気塊と冷たい空気塊の境界にできることを推定する。
e 前線が通過すると気温が変化する。 以上のことをまとめて前線モデルの仕上げをする。
日常生活とは切り離せない大気の現象を理解させるためにモデル実験を導入して,自然現象を睾内実験として実施するシミュレーション化を考え学習を身近な素材と色水で展開した。
図−3 寒冷前線(着色水)の動いている様子 図−4 温暖前線(着色水)の動いている様子 3.まとめ
生徒には視覚的・立体的に観察・実験ができるので,意欲的に取り組める。前線の構造や移動を説明したり,境目はどのようになっているのかを考えさせるにも効果的であり,均一に混じり合わないことも理解できる。問題は具体化されたものが頭の中で「自然」と結びつけられたかどうかが今後の課題であろう!実験の時の色水の温度差は2℃以上では,液の移動がはげしく観察に不向きであることに留意する。