研究紀要第66号 「中学校理科の学習指導に関する研究」 -060/106page

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24.新聞やテレビの気象衛星画像・天気図を用いた「天気の変化」の指導

1.はじめに

 気象衛星画像(雲画像)は宇宙から眺めた地球上に起こっている大気の運動そのものの姿を写し出したものである。一方天気図は大気の運動を引き起こす原因となる高気圧・低気圧・前線などの位置関係を描いたものであり,雲画像にはその結果が示されていると言える。特に雲画像は生徒の関心を引き,理解をたやすくする教材の一つである。各家庭に届けられているテレビや新聞の情報データーを十分に活用していないのが現状のように思われるので,天気図と併用して指導の裏付けとして利用されることを期待する。

2.素材の活用と指導法

 雲画像と天気図の併用によって大気の様子はこれまで以上に正確,しかも具体的になり気象学習もより身近なものになってきた。単なるアクセサリーとして終わってしまうことのないよう,より有効に利用するため活用法を試みたのでのべる。

     <事前指導として>
 ・数日間,天気を毎日観察させるとともに,その期間の新聞天気図を集めさせノートにはらせる。
 ・その期間の気象衛星の画像をNHKテレビ「全国の天気」で視聴させ雲画像に慣れさせる。

    <実習指導として>
(1)雲の分布を調べる……白地図使用(図−1)
  1) 雲画像をよく見て,雲の分布している場所を色鉛筆で塗りつぶす。
  2) 1)の雲の分布図を基に,雲でおおわれているところと高気圧・低気圧の位置関係を考える。
(2)低気圧の中心位置と中心気圧の変化を調べる。

図−1 雲の分布場所記入例
図−1 雲の分布場所記入例
図−2 気象衛星画像と天気図
図−2 気象衛星画像と天気図

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