研究紀要第66号 「中学校理科の学習指導に関する研究」 -065/106page
1)仮説に対する留意事項
中学校理科第1分野の化学領域は,これが中学生としてはじめての教材となるだけに形而上的なものにおち入らぬよう,自然や日常生活から遊離したものとならないように十分配慮する必要がある。そのためには,身近にある素材を用いることで生徒に安心感を与える一方,その意外さに生徒を瞳目させ,製作や実験にある程度の時間を費やしてその間に学習の目標を浸透させ,実験班の構成人数を2〜3名とすることで傍観者をなくし生徒の主体的な活動を求めるなどの方策が必要となろう。(2)指導過程
1) 気体発生装置の製作と気体の捕集
(ア)フィルムケースを使った気体発生装置(その1)
(a)細い釘をピンセットで保持してアルコールランプで熟し,フィルムケースのフタにおしあてて直径1〜1.5仰位の穴をあける。
(b)缶づめの空き缶の両端に穴を2個ずつあけて針金を通し,2回程ねじってフィルムケースが抜けない程度の輪をつくる。
(c)フィルムケースに薬品(例えば亜鉛と塩酸)を入れて空き缶の針金でおさえ,水そう中に沈めて発生する気体を水上捕集する。(イ)フィルムケースを使った気体発生装置(その2)
(a)フィルムケースのフタに熟した釘で直径2mm位の穴を8個ほどあける。
(b)フィルムケースの底にコルクポーラーを熱しておしあて,直径13mm程の穴をあける。次にガラス管をつけたゴム栓をする。
(c)プリンカップに液休(例えば塩酸)を入れ,フィルムケースには固体(例えば石灰石)を入れてフィルムケースをプリンカップの液体中につける。発生する気体は水上捕集する。