研究紀要第66号 「中学校理科の学習指導に関する研究」 -069/106page

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2)事後テストの検定
    人数 平均値 標準偏差 有意差検定
等分散の検定 平均値の差の検定
実験群 38 88.4 8.5 F 0 =2.09
F(37,36,0.05)=2.07
F 0 >F(37,36,0.05)
有意差あり
t 0 =3.56
t(60, 0.05)=2.00
t 0 >F(74,0.05)
有意差あり
統制群 38 72.4 12.3

3) 比率の差の検定 (丸印の内容は,身近な素材を用いた指導を行ったもの)
比率の差の検定

 実験群に対する指導意識が多少潜在するとはいえ,全体として等分散及び平均の差の検定で有意差が認められたことは,仮説が有効であったと考えられる。また,問題別にみた母比率の差の検定では実験器具の製作を行い,更にこの器具を用いて気体の製取とその性質を調べる実験を行ったことに関する問題については,はっきり有意性が認められる。これは,班の人数を少なくしたため,全員が製作や実験に参加して協力しあう過程のなかで次第に学習の目標が明確になり,下位者を押し上げるかたちで学習の定着が進んだためであると思われる。また,全体をとおして,身近に存在する気体でありながらその不活性さゆえに実体をつかみにくい窒素についての正答率と,その特異臭や水への溶解性などに特徴を持つアンモニアについての正答率との間に画然とした差異がみられるのは,学習活動における観察・実験の重要さを示すものといえよう。

3.まとめ

(1)結果
1) 生徒は気体発生装置の製作に積極的にとりくみ,製作を楽しいと感じた者は98%にものぼった。
 製作過程の中にもそれぞれの創意工夫がみられ,レポートの中で生徒は次のように述べている。
 このフィルムケースの実験はとてもよい考えだと思ったのですが,穴のあけかたなどがむずかしくてぼくたちの班では穴が小さいからといって大きくしたら今度は穴が大きすぎて逆にそとに気体が出てしまったりしてしまいました。しかし,とってもよい考えだと思いました。

−生徒の反省−


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