研究紀要第66号 「中学校理科の学習指導に関する研究」 -079/106page

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(2)生徒の反応
1) 生徒の興味・関心が非常に高まり,自己評価も向上した。本時の学習前と学習後のアンケートを比較してみると,設問の表現は前後で多少ちがうが,同じ内容に対して次のような結果が見られた。

調査1
(事前)あなたは,今まで行った実験は楽しいと思いましたか。
(事後)この実験は,今までの実験とくらべて楽しいと思いましたか。

調査2
(事前)いままでの理科の授業はよく理解できましたか。
(事後)この単元の授業は,よく理解できましたか。

調査3
(事後)これからも身近にあるもので実験装置を作って,自分たちで工夫した実験をしたいと思いますか。

表−2
表−2

2) 以上の結果から見ると,実験が楽しいとする生徒が約2倍,またやってみたいとする生徒が86%となっているため,この単元における,自作バネづくりは,生徒の興味・関心を大意に高めることができたと思われる。
 また,次ページ写真等に見られるように,生徒一人一人,自分のバネを作らせたことはその結果に多少バラツキがあったにしても,最後まで自分でやったという,学習の充実感をもたせることができたので,「時間が短い!」「もっとやりたい!」という声が多く見られたのだと思われる。

3) 「よく理解できた。」とする生徒が8%から56%もふえている。その理由としては,「たのしい,おもしろい。」「考える力がついた。」「今回は楽しく実験ができたから」などがあり,目に見えない「力」の概念の学習であったのに,非常に効果があったと思われる。
 また,本単元の学習では,バネをつくり,実験装置・測定・豆テストまで一貫して行い,その結果としてのアンケートの中に,「考える力がついた」などの解答があることは,よく自己評価している姿がうかがえる。


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