研究紀要第66号 「中学校理科の学習指導に関する研究」 -096/106page
6.まとめ
(1)考察
事後テストにおける等分散の検定(F検定)と平均値の差の検定(t検定)結果から判断して,統制群より実験群の方がすぐれた結果が得られている。S−P曲線の分析からも,続制群の平均正答率が79.2%に対し,実験群では90.8 %である。これらのことから,学習効果が上がり,一人一人に学習が定着していると考えられる。注意係数から考えると,0.5以上のものがあるが正答率が高いので,大きな問題点はないと思われる。しかし,問題の数が少ないためか,差異係数が0.5以下ではあるが,単元テストとしては少し高めなので,今後の検討が必要である。
実験群の13番,19番,20番の生徒,統制群の15番,11番,7番,6番の生徒等についても学習が不安定でミスが多いと思われるので,今後,個別に指導を続けていく必要がある。(2)まとめ
分解者の指導において,ビーカーのみを用いた従来の方法に比較して,フィルムケースを用いた指導法が,効果的であり,しかも個別化がはかるかどうか二群法をもとに分析検討してきた。これらの結果をふまえると,まだ若干の問題点があるにしても,効果的な指導法であることがわかる。
ここで述べたS−P曲線やF検定は,t検定は,検証するための一方法をモデル的に示したものである。不完全な部分があると思うが,実際の授業でさらに実践研究を深めていただきたい。参考文献 全理七生物部会研究集録:井戸英彦(岐阜県教育センター)