研究紀要第66号 「中学校理科の学習指導に関する研究」 -098/106page
5) 生徒の大部分は,地球が自転しているということは知識として知っている。しかし,星座自身が動いて見えることに疑問をもっている生徒が多い。
6) 宇宙という空間のスケールが大きく,地球の動きを把捉するに,星座が動く現象などの一部分の観察によって全体を推論せざるをえないことがきわめて指導しにくいところであり,生徒にとっても理解しにくいところである。(3)改善の視点
1) 夕方,生徒を校庭に集合させ,星座や惑星を実際に観察させる場を設定する。
2) 身近な素材を使って観察器具を製作し,観察に必要な基本的な操作に習熟させる。2.身近な素材の活用と指導法
(1)仮 説
星座の日周運動の指導において・身近にある画用紙や分度器を用いた自作器具を多量に製作させ個々の生徒に与え,星座の動きを観測させれば,日周運動の概念が一人一人の生徒により定着するであろう。(2)仮説にせまる身近な素材の活用法
1) 教材教具の利点
ア 生徒自身の手で製作するので,すぐに試してみたいという意欲づけになる。
イ 実際の野外学習なので一人一人の生徒が生き生きと活動し,器具の使い方を通して北斗七星の見え方,北斗七星・北極星の位置の理解ができる。
ウ 1時間ごとの記録から北斗七星の動き方について体験を通して,しかも正確に理解できる。(3)教材教具の作り方
1) 準備するもの
・原紙(たて16cmx33.5)
・分度器(紙片のもの)
・おしピンとハトメパンチ
・帳とじ
・接着剤
・糸(10M)
・ゴム粘土
・北斗七星の図柄
・カッター
・のり
・厚紙をのせる台木2) 作る順序
・厚紙を大(16×21.5),小(16×12)に2分する。
・厚紙(16×21.5)を次の寸法でカッターで斜線部分を切り抜く。