研究紀要第66号 「中学校理科の学習指導に関する研究」 -101/106page

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4.検 証

(1)検証方法
1) 一群法を用いて,上位・中位・下位群に対して身近な自作器具を使用した場合の指導効果を事前・事後テストの正答率の差より検証する。
2) アンケート調査より,興味・関心・態度についての変容をみる。

(2)検証結果
 次のような評価テストについて,単元に入る一ケ月前事前テストを行い,学習直後同問題で事後テストを実施した。グラフの表記で は上位群,は中位群,は下位群とし,最初の「丸」は事前テストの結果で,次の「丸」は事後テストの結果を表している。
1(丸囲み) 知識・理解・技能
評価テスト 1回目,10月の午後7時ごろ北の空の北斗七星をスケッチした。
これについて次の問いに答えよ。

評価テスト

1(丸囲み) 北斗七星は時間の経過とともに,ほぼA星を中心として回転している。
 A星の名まえをかきなさい。(      )
2(丸囲み) 時間がたつとともに星座は移動し,星Pは稜線(山と空との境の線)に沈む。
 その位置は,図のア,イ,ウ,エのうちどこか。(    )
3(丸囲み) 午後7時のスケッチは,ア(丸囲み),イ(丸囲み)のどちらか。(   )
4(丸囲み) 2回目にスケッチした時刻は.午後何時か。(午後  )
5(丸囲み) 北斗七星が,このようにA星のまわりを回転するのは,どんな原因によりますか。
 かんたんにかきなさい。(              )

事前・事後テストの結果

ア グラフから考えられることは,各設問について,下位群の伸びが上位群や中位群の伸びに比べて,大きいことがわかる。特に上位群の伸びが少ない。しかし,上位群については,文体に関する知識や観測の体験が多いことが考えられる。
イ 1(丸囲み)の問いについては,小学校で学習している内容なので上,中,下位群とも良い結果となっており,あまり伸び率に差がない。
ウ これらの結果を総合的に検討してみると,画用紙と分度器を用いた自作器具を生徒一人一人に与え,星座を観測させたことは特に下位の生徒にとって星座の日周運動を理解させるのに効果的であったと思われる。

2(丸囲み) 興味・関心・態度
 アンケートの問い
ア 夜,学校に集合して星の観測をしましたが,どんな感想をもちましたか。
イ 簡単な器具を使って星の観測をしましたが,この器具についてどう思いますか。
ウ 天体観測で希望したことがあれば,書いてください。


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