研究紀要第67号 「事例を通した教育相談の進め方に関する研究 第2年次」 -002/066page

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2.反社会的行動をもつ児童生徒の教育相談の進め方 その2

 第1年次研究において,教育相談の手順,すな わち問題の確認,資料の収集,診断,指導仮説の 設定,指導援助の順序や方法について,具体的な 資料を用いながら,詳細な説明を加えた。本年度 は,指導援助の順序や方法に焦点をあて,特に反 社会的行動をもつ児童生徒の治療面接の進め方に ついて論述する。

 治療面接を効果的に進めるには,最初に反社会 的行動そのものを正確に理解することが必要であ る。それは,反社会的行動の諸様相を類型的にと らえるとともに,それらの成り立つ過程と具体的 な諸要因を的確に把握することである。治療面接 は,この基礎の上にたって進められるべきである。  なお,反社会的行動の教育相談に特に有効と思 われる面接の技法にも触れた。それらは本年度の 事例研究にも生かされている。

(1) 反社会的行動の類型

 反社会的行動を類型化するのは,それを正確に 理解し,的確な診断と適切な指導を行うのに効果 的であるからである。例えば,小学生の万引きは 法律的には触法行為であるが,治療面接にあたっ ては,その行為の具体的な様態や要因を把握する 必要がある。そのために臨床的あるいは情動障害 に基づく類型などの基準に照応させればより多面 的な理解を図ることができるのである。類型化の 観点はいくつかあるが,ここでは反社会的行動の 理解に必要な次の3つの類型を示す。

 <法律的な類型>

 <臨床的な類型>

 <情動障害に基づく類型>

 

(2) 反社会的行動の成り立ち

 反社会的行動には,必然的に反社会行動を導き 出す本人自身の問題と環境の問題とが存在する。 これらは,本人の幼少時から相互に影響し合うこ とによって,絶えず本人を心理抑に不安定な状態


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