研究紀要第67号 「事例を通した教育相談の進め方に関する研究 第2年次」 -012/066page

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   外にも知られている」
T 「うまい。その調子」
T 「このとき,富士山の中腹では,‥…」
C 「このとき,富士山の中腹では,はげしい噴火が始まっていたのである」
T 「じょうずだなぁ。いいぞ」
T 「富士山の地質を調べてみると,‥‥‥」
C 「富士山の地質を調べてみると,数万年ものむかしから噴火をくり返してきたことが分かる」
T 「はきはきしていて,いい声だなぁ」
T 「この文章は,どんなことが書いてあるの」
C 「富士山のこと,富士は生きているの‥‥」
T 「そう,富士山は生きているんだなぁ。どんなことだと思う」
C 「噴火している。いつだかわかんねぇ」
T 「うん そうだねぇ。何回も噴火しているんだなぁ」
C 「新幹線の窓から見えるんですか」
T 「見える,見える。大きいぞ」
C 「先生は,登ったことありますか」
T 「いやない。登ってみたいなぁ」
C 「富士山は,また噴火するんですか」
T 「そうだな,今は休んでいるけど,いつ噴火するかわかんないぞ」

 と,富士山についての話題が広まり,深まっていった。

● ソフトポールクラブの活動を適して

 クラブ活動の担当と話し合い,勝手な行動をとりやすくルールを乱しがちな本人に,ルールを守 ることの大切さを理解させることを主なねらいと して指導にあたった。6年生が去ったあと,だれ がそのポジションにつくことができるかがクラブ員の中で大きな関心事である。

C 「先生,いつソフトのポジションを決めるんですか」
T 「まだまだだよ,みんなの練習を見てから決めようと思っているんだ」
C 「ぼく,内野やられますか」
T 「やれると思うけど,チームワークが大切だから,少しくらいじょうずでも選ばないかもわかんないよ」
C 「……」
T 「チームで決めたことをしっかり守る人でないと,チームワークがだめになるからなぁ。君は ルールを守ってやれるかな」
C 「だいじょうぶです。守れますよ」
T 「そうか。ソフトボールのルールだけでなくチームで決めた約束だよ」
C 「はい」

 練習には本気で参加している。しかも2学期終わり近くなった現在,特に熱心に練習し,技能も向上してきた。

 時々,担任のところに来て,

C 「先生キャッチボールやりませんか」
T 「うん,いま忙しいけど少しやるか」
  にこにこして,用具を二人分持ってくる。しばらく二人で練習した。
T 「じょうずになったなぁ」うれしそうに投げ返えす。チームのきまりを守り,準備運動なども率先してやるようになってきた。

(3)担任として

● 学級の役割をもたせて

 本人にとって大きな問題の一つは,与えられた ことを最後までやり通すことができないことである。4月から指導を続けてきたが,相変らず途中 であきてしまうことが多い。それで,後期児童会 の入部を決定する前,どんな仕事なら最後までや れそうか話し合ってみた。

T 「先生はみんなに一つの仕事を最後までやりとげることを児童会で勉強してもらいたいんだけど,君ならどんな仕事を選ぶかな」
C 「うさぎかニワトリのような生きものの世話なら続けて世話できると思います」
T 「じゃ,飼育委員会の係だね」
C 「はい,後期は飼育委員会に入ってみたいと思います」

 

 


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