研究紀要第67号 「事例を通した教育相談の進め方に関する研究 第2年次」 -016/066page
が嫌われる傾向が強くみられる。妻との問で子 どもの勉強やしつけなどについて考えが合わない と思うことが多い。夫も妻と同様に,その時の感 情によって,しつけなどが変りやすい矛盾型であ る。一生懸命子どもにかかわろうと,子どもの日 どろの生活や,勉強のこと,将来のことなどにつ いて,心配をした時には不安を抱きがちでもある。
型 父 母 9.矛盾型 5 5 10.不一致型 15 5 5.診断
● 乳幼児期の本人の母親への甘えと依存を無条 件に受け入れることを拒んだこと,及び現在も 続いている母親の本人を無視するような母子関 係のために,母子問に今もって信頼関係が形成 されていない。
● そのため,本人の自主性,自律性を育てる母 親の本人への切りはなしが,発達に応じて適切 に行なわれていない。
● また,母親の自己中心的,拒否的な母子関係 を対人関係のモデルとして身につけてしまい, 適切な人間関係をもつことができず,友だちと トラブルをおこし,他を批判したり,攻撃する 行動としてのいじめである。
6.指導仮説
◎ 親子関係,特に母子関係を次のように改善す る
- いつも母親の存在を気にしたり,甘えたり依存しようとする私
↓
- 母親に信頼されている私
- 両親に安心して守られている私
- 心配することなく安定した気持ちで外に向かえる私
母親へのカウンセリングと,学校での本人に関する良い情報を担任から母親へ伝え,それを母が本人に伝え,本人の行動を改善していき,強化していく。
◎ 対人(友人)関係を次のように改善する
- 自分よりも劣っていると思う人をいじめる私
- 自分を受け入れてくれない人の方が悪いのだと思っている私
↓
- 友だちのよいところをみつけられる私
- 友だちを受け入れる私,友だちを信頼する私
本人へのカウンセリングとロール・プレイングを通して改善する。
◎ 自主性,積極性を育てる
グループ活動,学校行事への参加などを通して行動を強化していくストロークを与えることによって改善する。
◎ 父母の関係を次のように改善する
- 家の中でおとなしいお父さん
- 妻と子どもの前で口争いをするお父さん
- 子どものしつけに一貫性のないお父さん
- 家の中で子どもとかかわる時中心になるお父さん
- 子どもに矛盾したことを言わないお父さん
↓
- 子供のしつけに一貫性のないお母さん