研究紀要第67号 「事例を通した教育相談の進め方に関する研究 第2年次」 -017/066page
- 夫をあまり信用していない妻
↓
- 子どもを受け入れ,しつけに一貫性のあるお母さん
- 夫を信頼し,夫をたてるお母さん
両親へのカウンセリングと,担任から母へ伝え られた情報を父が本人へ伝えたり,遊ぶ時も父親 が家族の中心になるように働きかけをする。
7.指導援助の経過
学校でのできごとの中から,本人が精いっぱい 努力をしたことや,友人などの行為をほめたり, 認めたり,励ましたりしたことなどがあった時は それを教師が親に伝える。そして,親は本人の行 為をほめたり認めたり励ましてやる。
● 8月
校内水泳記録会で,一生懸命がんばる。50m自 由型に出場し完泳する。
担任 「Y子ちゃん,よくがんばったね。みんなは途中で立ったりしたのに,最後まで泳ぎ通したんだからすごい。先生感心しちゃった」
Y子 「うん。すどく苦しかったけど,がんばろう,がんばろうと思って最後まできちゃった。つかれたぁ。飛び込みがうまくなったみたい」
母 「そうですか。50メートル泳いだんですか。よくやりましたね。きょうはY子の好きなカツで もつくってやらなくちゃね。お父さんにも伝えておきます。きっとほめてくれますよ」 ● 9月
児童会役員選挙で,本人は友だちT子のことを 心配している。
Y子 「先生ね。今度の役員選挙でさぁ,T子ちゃんが当選してくれるといいんだけどなぁ。先生 もそう思うでしょう。T子ちゃんいい人だもんね」
担任 「本当だね。Y子ちゃんがいっしょうけんめい応援してるんだもの大丈夫じゃないかなぁ。 友だちのことを応援してやるということはとっても大切なんだよ。すばらしいことだねぇ。み んなも応緩してくれているし,当選するよきっと」
母 「そうですか。Y子も人のことを応援してやれるようになったんですか。たいしたもんですね ぇ。いつも友だちは大切にするように言ってたんですけど,Y子をほめてやりましょう」 ● 9月
学級会各委員会の2学期の組織づくりの時,Y 子は,1学期,某委員会の委員長だったが,2学 期は,副委員長になった。そんな日,Y子がM子 になって,担任がF子になってロール・プレイン グを実施する。
<ロール・プレイング>
M子 「Fちゃん,何やってるのさっきから」
F子 「あ,ちょうどよかった。今ね,わかんないところがあったから,どうしょうかと考えていたんだ」
M子 「わかんないって,何のこと」
F子 「うん,委員会の人たちの各々の役割をどうしたらいいか考えてたとこなんだけど,いい知恵が浮かばないの。ちょっとM子ちゃんの知恵をかしてよ。お願い」
M子 「う−ん,そうか。1学期はみんなで話しあって決めたんだけど,2学期は案をつくっておくというわけ?」
F子 「そう,そう,そうしようと思うんだけどどうかなぁと迷ってたの」
M子 「それもいいね。まとまるのに時間がかからないかもしれないもんね。でも,みんなやりたい役はあるもんね」
F子 「そうだね。1学期はみんなで話しあって決めたんだっけか」
M子 「そう。そのせいかどうか,みんな仕事はやったような気がするよ」
F子 「そうか。やっぱりそのはうがいいか。最初から決めておくといやな顔をする人もいるもんね。そうしよう。よかった。M子ちゃんに相談して,ありがとう。これからも相談にのってね」
M子 「うん,いいよ。うん」 ふりかえりの中から