研究紀要第67号 「事例を通した教育相談の進め方に関する研究 第2年次」 -018/066page
担任 「F子に相談されてどんな気持ちだった」 Y子 「うん,頼られているみたい」 担任 「うん,頼られるのねぇ,そうね」 Y子 「ええ,うれしかった」 担任 「そう,人に頼られるってうれしいんだねぇ。よかったね」 Y子 「頼られるって気持ちがいい。えらくなったみたい,そう」 しばらくたって,U子からY子に助言を受けて助かった話を聞く。
担任 「Y子ちゃん,総会の時U子ちゃんにいろいろ教えてやったんだってね」 Y子 「ええ,そんな,ほんのちょっとだけ」 担任 「U子ちゃんから聞かされて先生もわかったんだけど,U子ちゃんありがたがっていたよ。人を助けてあげるってなかなかできないことな んだけど,よくやってくれたね。先生もうれしい」 2,3日後,母親から
母 「全然わかりませんでした。そんなこと一言もいいませんから。自分なりにがんばったんでし ょうね。前に委員長になれなかった時は,がっかりしていたみたいだけど,その時は1学期の 経験を生かしてがんばったら,としか話してなかったんですけどね。Y子が人の面どうをみて くれるんですか,たいしたもんですね。お父さんも喜んでました。Y子のことをほめていまし た」 ●10月
休み時間に,校庭で遊んでいた時,たまたま妹 (S)が友だちに囲まれて,いやなことを言われ ていたことについて
Y子 「さっき,校庭で遊んでいたら,Sちゃんを囲んで,みんなが,“おまえの顔にはイポがあ る。わぁきたねえ。気持ち悪い。ワーイ。イボ,イポ“ってはやしたてていたの。わたしは,“そんなこと言わないで,かわいそうでしょう。あんたたちだって言われてみろ,いやなんだから。 お願いだから言わないで“と言ってやったんだけどそれなのに,みんなは何回も言ったんですよ。わたしSちゃんがかわいそうで,かわいそうで,わたしまで泣いちゃった。わたし本当に 泣いちゃったの」と涙を浮かべながら話してきた。 担任 「そう,泣いちゃったの。つらかったね。でも,Sちゃんのことかばってくれたんだね。S ちゃんきっと喜んでいるよ。いいお姉ちゃんをもって良かったなぁと思っているよ。Y子ちゃ んは妹思いのやさしいお姉さんだね」 その日の夕方。
母 「Y子からも聞きました。家に帰ってきてからは,冷静になったらしく,みんなのことは悪く は言いませんでしたけど,くやしかったらしいですね。でも,よくSのことをかばってくれたと思います。わたしもY子の成長にうれしくなりました。Y子も先生にほめられたのが,とて もうれしかったと言ってました。最初は泣いてたんだけど,先生に話しているうちにだんだん元気になってきたんだよ,とも言ってました」 父 「きょうのことは,うれしかったです。すどくほめてやりました。やさしい気持ちがでてきたんですね。Sもうれしそうでした。急に仲がよ くなったみたいです。このごろは,できるだけY子にことばをかけています。ありがとうござ いました」父もようやく話してくるようになった。 ● 11月
仲間はずれについてロール・プレイングをする。 担任がN子で,Y子がT子になる。
N子 「あんたは,O子さんのところにすぐに行くんだから。あん時は,わたしと0子さんで遊ん でいたんだから,あんたなんかなんにも来なくたっていいんだよ」 T子 「わたしは,なにもそんなつもりじぁ−」 N子 「なにも,なんだよ。いってみな」 T子 「わたしは.遊びたかっただけよ」 N子 「あんたなんか,他の人と遊べばいいんだよ。他の人と。いばってんだよこのごろ」 T子 「別にいばってるなんて」 N子 「いばってんだよ。これから0子さんとなん