研究紀要第67号 「事例を通した教育相談の進め方に関する研究 第2年次」 -029/066page
な時でもお父さんの食事の世話してんだろう。大変だなァ」
A 「遅刻してすみません」(注 初めての言葉) [2] B江
● 昼休みの教室で
担 「国語ノートよく書いてるね。よくやってるなァ,感心してるよ」
B 「参考書や辞書でしらべてます」
担 「(はっきりした声で)期待してるよ」 ● 国語漢字テスト90点。テストを返しながら,
担 「すごいね。採点していてうれしかったよ」
B 「(照れながら)この前先生に声かけられてやる気になったんです」 ● ちょっと顔があかく,さえない表情
担 「どうした,B江さん。熱あるんじゃないか」(額に触れてみる。保健室まで同行し検温。38. 5℃)「大事なからだだから,家に帰ってあったかくして寝ていなさい。かぜ薬のみなさいよ」
B 「はい,すみません。ありがとうございます」 [3] C美
● 国語の授業中,私語,次第に声高に
担 「C美さん,76ページの○○について説明しなさい」
C 「わかりません」(隣の女の子に「ねェ」と同調を求める)
担 「それじゃァ,もう一度説明するから,よく聞いてなさい」,再説明後,再質問。
C 「(仕方なさそうに)‥‥‥です」
担 「一回説明をきいただけで,よく分かったね。感心したよ。えらい」
C 「‥‥」 ● その日の放課後,廊下で
担 「髪の毛さっぱりしてるね。気持ちいいなァ」
C 「先生,授業中話きいてなくてすみません」 (5)教科担任による指導の例
[1] 学級担任と3名の生徒との約束
● 2学期中間テスト,模擬テストの前に必ず教科担任の所へ行って質問してくること
● テスト終了後,もう一度行って誤答の指導を受けてくること
(各教科担任の了承ずみ)
[2] 国語科(学級担任)
A―目標たてたの。そうか。では計画は。ちょっと甘いな。(じっと目をみて)信頼してるよ。
B―この前,ワークみたらよくやってたねェ。時間かかったんだろう。すごい根気だなァ。
C―どうだ。もっと勉強時間増やせないか。「私は国語が大好きだ」と10回言ってみよう。[3] 社会科(男子,38才)
A―落ち着いてよくやってるね。成功を祈るよ。
B―ノートが丁寧だね。きっとよい点数とれるよ。笑顛でまた会おう。
C―予習してきたの。えらいね。ここんとこ繰り返し繰り返し読んでみよう。よく分かるよ。[4] 数学科(女子,48才,A子の元学級担任)
A―お父さん,元気。体に気をつけてね。色の濃い野菜必ず食べるのよ。おや,この問題でき たの。(頭をなでて)このページ明日までやって持ってらっしゃい。放課後待ってるわよ。
B―あら,この問題。先生と一緒にやりましょ。ほらできたでしょ。自分は何をやってもできな いなんて思ってないでしょうね。
C―ノートきれいね。(C美の肩に手を置いて)この問題やってみなさい。(ヒントを与えなが ら)よくできたね。じゃあおまけにこれも。この単元もう大丈夫ね。努力したね。
[5] 理料(男子,28才)
A―電流の流れる方向を表す記号の違いは‥‥‥こら,A子,授業に遅れて来ては駄目だぞ。
B―確認問題の磁界の向きが分かるなんて大したもんだ。よし,この応用問題やってみろ。熱 心によくやったなァ。
C―明日までこのプリントやってこい。(水溶液の濃度の問題),(翌日)よくやってきた。 この積み上げが大切なんだ。すごいぞ,C美。[6] 英語料(男子,31才)
A―せっかく来たんだ。不規則変化の動詞のテストをやろう。(テスト後)間違ったのをここ