研究紀要第67号 「事例を通した教育相談の進め方に関する研究 第2年次」 -030/066page
で練習していきなさい。(練習後)得したな。
B―教科書(テスト範囲)大きな声で読んでみよう。私も一緒に読むぞ。スラスラ読めるまでつき合うからな。
C―この前,授業中マンガいじってたろう。その分,これから勉強だ。
(6)姉的役割をもつ音楽科担任の指導の−例
[1] A子
A 「先生,細いね」
音 「そう。電信柱みたいでしょ」
A 「ん一,でもやせてる割りには,結構胸もあるじゃない」
音 「ありがと」
A 「私もスタイルよくなりたい」
音 「身長だってあるし,今のままでいいと思う」
A 「そう,自信持っていいかな」
[2] B江
B 「先生,今日の服,地味だね」
音 「こういうのが渋いっていうのよ」
B 「もっと明るい色の服着てくればいいのに」
音 「ところで,さっきA子ちゃんとなに,内緒話してたの」
B 「今度のテスト悪かったんだ」
音 「この次は今度の倍くらいがんばりなさい」
B 「うん」 [3] C美
音 「(髪を切って来た朝)お早よう」
C 「お早ようございます。あ−,先生髪切ったんだ」
音 「どう,似合う」 C 「でも,横を段カットして,パーマかけて,後ろに流すともっとかっこよいのになぁ」
音 「アドバイス,ありがとう。ところでちゃんと勉強しているかい」
C 「一応やってるけど。高校に入れるかな」
音 「何言ってんの。やっでできないことなんてないんだから」
C 「先生,また相談にのってね」 (7)母親的投割をもつ技術・家庭科担任の指導の一例
(10月中句の放課後,被服室の片付けを手伝わせながら,A子,B江,C美と4回目の話し合い)
B 「先生,私たちんとこ,よく呼んでくれますね。何かあるんですか。3年になってから他の先生 たち,うんと親切なんだ」
家 「あなたたち,頼りになるからよ。この被服室古いもの沢山あるでしょ。ちょっと気を抜くと 整理整とん一人で大変なの。B江さんも家で毎日お手伝いしてるんでしょ」
B 「あんまり,でもA子はすごいよ。先生」
家 「(笑顔で)B江さん いつもいうように私の前ではA子さんとさんをつけて呼びましょうね。 先生,それがとてもうれしいの。そうそう,A子さんのこと,担任の先生がとてもほめていたわよ。炊事とか家の仕事一切やるんだって」
A 「はい。まァ」
家 「先生,感心するなァ」
A 「父の仕事ってあちこち歩きまわる仕事で大変なんです。それに私しかいないから」
家 「立派な考えね。親孝行ね。古いかも知れないけど親孝行って知ってる,C美さん」
C 「母がよくいってます。じいちゃんの世話は親孝行だって」
家 「C美さんの家では,おいしいものは一番先きにおじいさんにあげるんでしょ」
C 「うん。おばあちゃんの命日の日は毎月お線香とお花をあげてます。よく忘れないと思ってます」
家 「すばらしいお母さんね。ところでB江さん,この前の『成人向きの献立と調理』のレポート とてもよくできてたわよ。肥満のお母さんのための献立の工夫,模範的よ。よく研究したね」
B 「お母さんの体,心配だから」
家 「その気持ちが親はうれしいのよ。さァ,B江さん C美さん,A子さん,もう一息のお手伝いお願いね」
(この日の面接のねらいは,「親の心くばりへの 気づき」であった)