研究紀要第67号 「事例を通した教育相談の進め方に関する研究 第2年次」 -034/066page
多次元診断マトリックス
に適応できず抱いた不適応感を解消するための親 や教師への反抗である。その経緯について、多次 元診断マトリックスに示す。
6.指導仮説
当面は問題行動の改善を目指しながら,生徒が 「幸福な生活」を確立できるよう指導援助する。
具体的には
(1)健康な体をつくる
(2)好ましい親子関係をつくる
(3)基礎学力を身につけさせる
ことなどを目標とする特に,教師に対する不信感を強く持っ生徒であ るので,問題行動の始めである喫煙を断つ指導の 過程で,問題の根本にある愛情と承認の欲求に応 えていくことによって信頼関係を修復する。教師 と生徒との信頼関係が再構築されれば,着実に指 導の目標が達成されていくと考える。
また,そのために
(1)教師個々の役割を定めて指導する
(2)日常の教育活動の中で,いかなる生徒も集団から排除しない指導をする
(3)生徒一人一人の指導計画をたて,指導の過程を評価しながら指導する
ことなどを基本的な指導方針とした。さらに,教師と生徒,生徒相互の好ましい人間 関係づくりのために,教師は,生徒と出会うたび に,「さりげない笑瀕」あるいは「肯定的なうなず き」を与えること,必要に応じ積極的に他の関係 機関との連携を図ることなどを大切な留意事項と した。
7.指導援助の経過
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