研究紀要第68号 「学校経営改善に関する研究 第2・3年次」 -002/075page

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かわる評価ではあるが,最終的には学校の教育目標(以下“教育目標”と略記)との因果関係においてとらえられなければならないものである。即ち,教育目標具現化という観点に立って教育課程をとらえ,実践を通して,教育目標の達成にいかに迫り得たかを評価し,次の改善,充実を図るようにしなければならないであろうと考えた。

このように考えると,評価対象となる教育課程及び教育実践の諸計画の中に教育目標が的確に具体化され,日常の授業を中心とした諸活動が教育目標との関連づけの中で行われなければ,評価の意味は極めてうすいものとならざるを得ないということに思い至った。

そこで,教育目標と実践活動の連携に関して,学校現場の実態はどうなっているのかを把握する必要を感じ,訪問による予備調査を,昭和59年1月から2月にかけて実施した。その結果は,各学校とも,自校の教育目標を設定して,その具現に努めてはいるが,“日々の授業や授業以外の諸活動の中に,教育目標を真に生かしていくためには,どうすべきか,そのための教育課程の編成及び教育計画はどうあるべきか”などについて模索中であることがわかった。つまり,教育目標を学年,学級の目標に具体化することについては,一部の学校で実践していても,各教科,領域に具体化することについてはほとんど行われておらず,各学校とも教育目標具体化の方法・モデル的事例を待ち望んでいることがわかったのである。

そこで,このような教育現場の要請に答える意味でも,まず教育目標に対する考え方や教育目標達成に向けての具体的なとり組みの実態を全県的立場で調査し,その実態を把握した。(紀要59号60年3月)

次に昭和60・61年度の2か年をかけて教育目標を日常の教育活動にどう具体化するか,その手順,方法について,小・中学校の研究協力校の実践をもとに追求し,教育目標具体化の事例として,県内各学校に提供したいと考えたのである。

本研究は,昭和59年度から3か年にわたり,「学校の教育目標と教育課程に関する研究」として一応終結するわけであるが,前にも述べたように,教育目標と教育課程との有機的・構造的関連づけを図ることにより,昭和53年度以降の,学校経営改善に関する二つの研究を深化・発展させ,学校現場において,教育目標を日々の教育実践に浸透させて生かすためには,いかにすべきかについてまとめることを,究極のねらいとするものである。


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