研究紀要第68号 「学校経営改善に関する研究 第2・3年次」 -006/075page
III 研 究 の 基 盤
1 学校経営と教育課程経営
学校経営とは,「経営組織体としての学校の維持と発展をはかり,学校教育本来の目的を能率的効果的に達成させるための,諸過程の統括作業である。 ※1 」といわれ,また「単位学校における教育目標の効果的達成のための諸条件を整備し,これを有機的に運営する営みである。 ※2 」ともいわれる。
学校教育本来の目的は,教育目標の達成にあり学校におけるすべての教育活動は,教育目標の達成のために行われなければならない。そして,その教育活動は,その学校の教育課程に集約され,経営されるのである。
(1) 教育課程経営のP―D―S
「教育課程というのは,実践的には「本校」の教育目標を実現し,達成するために必要な材料であり,手段である。これなくして教師が教育指導を行うことができない…。 ※3 」とされ,法制的には「学校教育の目的・目標を達成するため,教育内容を児童生徒の心身の発達に応じ,授業時数との関連において,総合的に組織配列した学校の教育計画である。 ※4 」と定義されている。
この教育課程の経営にあたっては,その経営の過程を動的なサイクルとして把握し,それに科学的な分析を加え,合理化・標準化して,教育能率を高めることが大切だといわれている。つまり,教育課程経営の過程を計画(Plan)―実施(Do)―評価(See)のいわゆるP―D―Sのマネージメントサイクル(経営サイクル)としてとらえ,経営にあたることが重視されているのである。
1) 教育課程経営におけるP機能 教育課程経営の経営サイクルの過程の中で,P(Plan)=計画)機能は,教育目標設定及びその目標達成のための各教科,道徳,特別活動等の指導計画の作成であり,最も重視されるところである。すなわち,教育目標具現のための具体化の中心は,このPにあるのである。教育目標共有化の推進,教育目標を関連づけた指導計画の作成,更に児童生徒の変容の具体的な予測等がなされ,教育目標の具体化がすすめられるのである。 2) 教育課程におけるD機能 D(Do=実施)機能は,指導計画に基づいて行われる授業等で,Pを受けSを含んでいる。 3) 教育課程におげるS機能 S(See=評価)機能は,教育課程の計画と実施についての評価で,改善された計画P′に具体的に生かされることが必要である。 なお,動態的経営観から教育課程の経営を見直す場合「P―D―Sの連続過程でとらえ直すこと」と「P―D―Sの因果関係でとらえ直すこと」の二つの観点を,本研究第一年次(研究紀要第59号)において指摘したところであるが,要は,常に目標達成を目指して調整,コントロールされる経営活動に支えられながら,日々の授業等教育活動がP―D―S―P′の過程に乗って連続的にダイナミックに展開され,学校教育の効果が高まることを期待されているわけである。
(2) 教職員の経営参加
教職員の学校経営の参加は,現実的には,それぞれの学校において決定された校務分掌などをとおして行われる。この経営参加が消極的であり低調であれば,教育目標の具現はとうてい及ばないところである。
経営参加には,三つの原理があるといわれる。すなわち,「合意の原理」「統制の原理」「自律