研究紀要第68号 「学校経営改善に関する研究 第2・3年次」 -011/075page

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3)  問題点の集約と重点化
 児童の実態,教師の意識,地域,家庭,学校の教育条件等の実態調査から総括的に問題をとらえ,教育三領域の視点から集約した。
教育三領域の視点から集約したもの
4)  自校課題の設定―問題の集約・重点化の結果から課題を次のようにとらえた。
知育面 ―意志表出行動や学習意欲が不十分であるという実態から「学習の仕方と効力感を育てながら自ら学びとる力を育てる」こと。
体育面 ―衛生的観念が低調であること,山村のため運動が充分にできないという実態から,「体力の伸長を図り,清潔で強い意志力・根性に支えられた健康でたくましい心身の鍛練につとめる」こと。
徳育面 ―礼儀作法,奉仕の精神が不十分であるという実態から「礼儀作法や連帯意識,及び奉仕の精神に基づく実践的社会性や相互扶助の態度を育てる」こと。
5)  教育目標の設定
 1)〜4)までの過程を経て,下記のように重点目標以下を設定した。(※教育目標は改訂しない例)
重点目標以下の設定

 (4) むすび

教育目標が,具体的に実現されにくい原因の一つに,目標設定に参画する教師の意識の問題が考えられる。設定までの過程に教師一人一人がどのように参画し、どれほど真剣に話し合い考え合ったかということである。教育目標設定が,教職員の協働で行われ,具体的に実践可能な段階まで計画されることが最も重要であろう。ここに記載した例は,目標設定までの過程を考える資料として適切と思われるが,各校で実践する際には,更に次の点についての検討が必要であろう。

  • 実態として取り上げた問題点相互のかかわりを十分に検討して重点化を図る。
  • 設定過程の各段階で,教師一人一人の主体的な参画をうながす組織・運営の改善を図る。
  • 教育目標は,教師の指導の指針であると同時に,児童生徒が自ら目指す目標であるという点を重視する。

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