|
(4) |
学級指導の時間の実際例 ― 昭和60年6月3日(月) 5年合同 |
|
本校教育の一環として4・5年生による宿泊訓練を実施し,学校や家庭で得がたい体験をさせることによって,規律・協同・友愛,泰仕の精神を集団野外活動の中で養うことを目的としている。 |
|
この目的を達成するために,基本的行動様式があることを理解させ,その上にたって2日間の係活動や行動のきまりを自主的に設定させ,各自がそれぞれのめあてを持って楽しくすごすため,どんなきまりを持ったらよいかを考えさせたい。 |
|
宿泊訓練の目的を理解し,集団野外活動のきまりを守り,正しく行動できるように,自主的にきまりづくりをすることができる。 |
|
教育目標「協力する子ども」を受けて設定した本年度の重点目標「望ましい人間関係の基盤をつくる」の実践場面として,宿泊訓練の意義をおさえ,集団行動における一人一人の役割りの大切さと,協力し,団結していくために必要な相互信頼に基づいた約束づくりの実践場面としてこの時間を位置づける。 |
|
実践化をめざす学級指導ほど,効果的な資料が,ねらい達成に効果的である。
|
|
8グループのうち,6グループは自主的な秩序を考えためあてを決定できた。
|
|
子どもたちの要望の中で,自由活動の希望が多く,行事のねらいを逸脱しない範囲で早急に検討してやりたい。
|
|
めあてを決める話しあいでは,協力する意識をもって計画がたてられていた。
|
(5) むすび
この事例では,教育目標の内容分析を行い,目標のもつ意味内容を明確にし,具体化に結びつけようと努めている。このことは学級指導の目標設定にあたっても教育目標との関連をふまえ,構造的にとらえていることがうかがわれる。
すなわち,学級指導の目標を低学年,中学年,高学年に分け,教育目標のそれぞれの項目ごとに到達目標として具体化している。一般に到達目標としての教育目標というときには次の三つの条件を備えていることが必要といわれている。
1) 具体的で達成可能であること。
2) 達成のための計画化が行われること。
3) 達成の程度を評価・測定できること。
この観点から,この事例をみると,目標の細分化具体化,そして目標行動としての表現等工夫のあとがよくでている。
さらに実践例をふまえての達成の程度の評価,測定が適切に行われ,それをもとに教育目標との関連や,到達目標としての学級指導目標の改善がすすめられることが望まれる。