研究紀要第68号 「学校経営改善に関する研究 第2・3年次」 -035/075page
lO. 教育目標と道徳の授業との関連づけについて
(1) 問題点
教育目標と道徳の授業との関連については,教科の授業との関連よりは密接であるという考え方が一般的に多くみられるが,実際には,十分に関連づけが行われているとは言えないようである。
「道徳の授業を行う時に教育目標の内容との関連を考えているか。」という設問ににして,「考えている。」と回答したのは,45%(N=309人)にすぎない。また,「なぜ,考えていないのか。」という設問に対しては,「道徳の目標を達成すれば教育目標は達成される」70%(N=94)「教育目標のことまで考えると,道徳のねらいが複雑になる」30%(N=24)という結果が出ている。
以上の結果の背景には,道徳の目標の中には,教育目標の内容が十分に含まれているので特別とりたてて関連づけを図る必要はないという考え方があるようである。このように,これまでの教師の意識の中には,道徳の指導の内容を中心にして授業を実践していけば十分であるという考え方があるように思われる。しかし,教育目標具現の方策が学校における全教育活動を通して行われなけれぱならないとするならば,道徳の授業においても,教育目標との関連を十分に図ることが必要であり,教育目標具現化の中核を担うものであることは言をまたない事であろう。
(2) 基本的な考え方
学校の教育目標が教育活動全般にわたって具現されることが望まれていながら,具体的に実現されにくい状況にあるが,その原因の多くは,教育活動の中核であるべき教科及び道徳の授業の中に教育目標が関連づけられて,具体的に実践されていないという点にある。
授業の中にどう具体化するかという点からの切り込みに十分意をそそがなければなるまい。具体的には,次の事項に関しての検討・吟味が必要であると考える。
1) 教育目標の内容を分析し道徳の指導内容との関連づけを図る。 2) 実践内容を各学年ごとに具体化する。 3) 主題一覧表への具体化を図る。 4) 学習指導案へ具体化する。 主題設定の理由 本時のねらい 指導過程
(3) 道徳の授業の指導内容に教育目標を関連づけた例 1) 教育目標の内容と道徳の指導内容(価値項目)との関連
2) 各学年への具体化