研究紀要第68号 「学校経営改善に関する研究 第2・3年次」 -056/075page

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3 教育目標と各教科の授業との関連について

 (1) 問題点

 教育目標の具現化を図るうえで,教育目標を各教科の授業に具体的に関連づけて指導することは極めて重要なことであるが,その過程と方法については,十分理解されているとはいえない。

 学校生活の中で,各教科の授業は主要な部分を占めているが,教育目標を意識的に関連づけて指導しているのは,22%(N=139)にも満たない。「教科の目標を達成すればよい。」「教育目標まで考えると,教科のねらいが複雑になる。」等,教育目標の具現化についての基本的な認識の仕方にかかわりを持つだけに,問題の所在は,深く大きいといわなければならない。

 教育目標と各教科の授業との具体的な関連づけについて,共通する問題点は,次の事項に集約することができると思われる。
 ○ 具体化の手順の理解が不十分である。
 ○ 具現化の手だての理解が不十分である。

 (2) 基本的な考え方

 各教科の授業を通して,教育目標の具現化を図る具体的な手順や手だてを理解するには,次の事項を共有することが必要であると思われる。
 1) 教育目標を具体化する手順を明確にする。

 教育目標,重点目標,努力事項,実践事項,学年目標,学級目標,(個人目標)を具体的に設定し,教育目標の意図するところを十分に確認し合うことが重要である。

 さらに,具体化された実践事項を,各教科の指導計画に明確に位置づけ,教育目標と各教科の授業との関連を具体的に一体化しておくことが必要である。

 2) 教育目標を具現化する手だてを明確にする。
  ○ 学習目標に具体的に位置づける。
  ○ 教材内容に具体的に位置づける。
  ○ 留意事項に具体的に位置づける。
  ○ 学習活動に具体的に位置づける。

 (3) 教育目標を英語科の授業に関連づけた例

 教育目標と各教科の指導計画との関連を一体化して教育目標を具体化する手順を,英語科の事例を通して明確にしたいと考える。

教育目標を英語科の授業に関連づけた例


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