研究紀要第68号 「学校経営改善に関する研究 第2・3年次」 -065/075page

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6. 教育目標と生徒指導計画の関連づけについて

 (1) 問題点

 学校におけるすべての教育活動にかかわりを持つ生徒指導の計画は,教育目標の具現化を目指し計画されなければならないと考えられる。

 しかも,生徒指導の目標や方針,更には学年別の指導の重点,具体的に指導を展開する内容等が教育目標との関連を踏まえて位置づけられていなければならない。

 ところが,いくつかの学校の計画の中には,教育目標とは無関係に計画が作られているきらいがある。その原因として考えられることには,計画立案の段階において,教育目標をすべての教育活動に具現化しようとする意識が,教師自身に存在していたかどうかということと,教育目標の具現化を目指した計画を作ろうとしても,教育目標が極めて抽象的で,ねらいとするものが不明確すぎる場合であろう。

 このような場合には,順次具体的に細分化された計画であっても教育目標から離れてしまう結果になりかねない。したがって,生徒指導計画が教育目標から遊離した部門別計画を寄せ集めたものや,行事の一覧表のようなものになりがちであるということが一つの問題として挙げることができよう。

 (2) 基本的な考え方

 生徒指導計画に教育目標を関連づけるにあたって考えておきたいことは,生徒指導計画は学校教育の全体を通して生徒を指導していくための基本方針や大綱を示す役割をもっているということである。

 そして,生徒指導の全体計画に盛り込まれる生徒指導の目標や方針,更には各領域及び部門別計画等の中に,教育目標と直結する具体的な指導内容が明確に位置づけられなければならないと考えられるのである。

 しかも,全体計画や部門別計画等に盛り込まれる指導内容は,総花的な表現をできるだけ避け,学校として必要感のにじみ出ている簡潔で理解しやすい表現とすることが大切であろう。

 以上のような考え方を基にして,教育目標を生徒指導計画に具体化する過程を次のような視点から検討することが必要であろう。

1)  教育目標を受けて具体的な実践事項を設定する過程で教育目標との関連を図る。
2)  教育目標を受けた実践事項等を生徒指導年間計画等の中に明確に位置づける。
3)  各部門別計画は,実践事項との関連を踏まえて計画する。
 
(3) 生徒指導計画に教育目標を関連づけた例
― 教育目標を生徒指導計画に具体化する過程 ―
1) 教育目標から実践事項設定までの過程

教育目標から実践事項設定までの過程


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