研究紀要第68号 「学校経営改善に関する研究 第2・3年次」 -071/075page

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研 究 の ま と め

1. 研究の経過

 本研究プロジェクトは,昭和59年度から3か年にわたり,学校経営改善に関する研究の一環として,「学校の教育目標と教育課程に関する研究」を進めてきたものであるが,本研究紀要の発行をもって,この調査研究も終了する運びとなった。

 本研究の以前には,すでに発表したところであるが「学校経営評価に関する研究(昭和53年〜55年)「教育課程の経営に関する研究」(昭和56年〜58年)を行い,その中で“教育課程評価票”を開発した。

 その研究過程で生じた問題点は,教育目標は本当に学校の教育活動全体に生きて働いているのかどうか,ということであった。

 そして,もし働いていないとすれば,その原因を追求して,教育目標を授業を中心とした学校の教育活動全体に具体化する手だてを,実践事例として学校現場に提供する必要があるのではないかと考えたのが研究の発端であった。

 そして第1年次は,学校現場の教育目標達成へ向けての教師の意識とか,教育目標を達成するための手順,方法をどのように考えて教育活動を実施しているかなどについて,県内小・中・高校合計592名の教師に対して,質問紙による調査を行った。

 その結果は,研究紀要第59号に述べられているが,要約すると,

 教育目標を日常の教育活動の中に意図的に関連づけて,具体化を図っている教師は少ないこと,そしてその原因としては,
 教育目標の設定過程のあいまいさと,教育目標に対する意識の問題
 教育目標を学級の目標までどう具体化すればよいかの問題
 教育目標を,教科・道徳・特別活動の活動計画や授業にどう具体化するかの問題

など,教育目標具現化に際して最も大切な部面が欠けていることがわかった。

 第2・3年次は,この問題点を学校現場で解決するための手段として,教育目標具体化の実践事例を提供することを目的とし小学校14校,中学校7校を,研究協カ校として依頼し,次のような内容に関して,21の実践事例を一般化した形でまとめたのである。

 教育目標設定過程に関して
 教育目標と教育課程の編成に関して
 教育目標と教育課程の実施に関して
 教育目標の評価に関して

2. 研究の内容

 前記の実践事例を参考にしながら,各学校における諸教育活動を教育目標達成という視点から見直しを図ることが期待されるわけである。

 教育目標の設定過程と教育目標の評価,及び教育目標具体化に関して.およそ次のようにまとめることができる。

 
1) 教育目標設定過程に関して
 教育目標は,すべての教育活動の指針であり学校経営の根幹をなすものであるから,教育目標(年度の重点目標も含む)は,教育目標の国家的基準及び,国,地方(地域)の将来を見通した望ましい人間像をふまえると共に,学校や地域の実態及び,児童・生徒に対する親や教師の願いを組み入れながら,わが校の学校課題を明らかにし,その課題を解決するための目標として,できるだけ具体的に設定されなければならない。

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