研究紀要第69号 「『関心・態度』の評価に関する研究 III」 -007/058page

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 [3] 「関心・態度」の評価

(2) 検証授業を通しての実践研究

文献研究で得た理論を研究協力校の授業で検証し,「関心・態度」の評価の在り方について考察する。

[1] 検証授業を行う第6学年の「言語活動の達成目標」を設定する。
[2] 言語事項,表現,理解の「言語活動に対する関心・態度の達成目標」を設定する。
[3] 検証授業を行う単元の「認知,技能,及び関心・態度の達成目標」を設定する。
[4] 検証授業のための学習指導案を作成し,研究協力校において授業を実施する。
[5] 検証授業を分析して,この研究において明らかにしようとしている「関心・態度」の評 価方法等の有効性や問題点について考察する。

3 国語科における「関心・態度」

(1) 「関心・態度」の意味

国語科における「関心・態度」の評価の在り方を研究するためには,「国語に対する関心・態度」とは何かをはっきりさせておく必要がある。

学習指導要領による国語科の目標は,国語を正確に理解し,表現する能力を養うとともに,国語に対する関心を深め,言語感覚を養い,国語を尊重する態度を育てる。

と示されている。すなわち,この目標は,次の二つの要素から成り立っている。

[1] 国語を正確に理解し表現する能力を養う。
[2] 国語に対する関心を深め,言語感覚を養い,国語を尊重する態度を育てる。

この[1]の要素は,国語の能力面を指しているのに対して,[2]の要素は,ここで述べる「国語に対する関心・態度」を指していると考えたい。

また,小学校児童指導要録は,観点別学習状況の説明において,「国語に対する関心・態度」の趣旨を次のように述べている。
国語に対して関心をもち,国語を尊重し,的確に表現したり,理解したりしようとする。

とあり,この趣旨に関する限り,「国語に対する関心・態度」とは,国語そのものに関する「関心・態度」であると受けとめることができる。

したがって,国語科で重視すべき「国語に対する関心・態度」とは,確かな言葉を使って,言葉を積極的に理解し表現しようとする意欲や態度ととらえることができる。

(2) 「関心・態度」の階層性

小学校では,「国語に対する関心・態度」は,表現や理解の能力・態度を育てることと密着しており,それゆえ,評価の観点としての,「国語に対する関心」を独立させないで,表現や理解の能力・態度に含めて考えるのが望ましい。

このように,「関心・態度」と表現や理解の能力は,互いに関連しながら階層的に向上するものである。

この「国語に対する関心・態度」は,一般的には対象に気づく低いレベルから,人格の形成に至る高いレベルまで階層的に深化・発展するものとしてとらえることができる。ただし,ここでは,「国語に対する関心をもち」が契機となって,「進んで表現し」たり,「読書に親し」んだりする「態度」が生まれ,それを「身につける」というように,低いレベルから高いレベルヘと目標を階層的に分け,実践研究を進めることにした。

(3) 「関心・態度」の評価

「関心・態度」の評価は,「関心・態度」の目標が,知識・理解及び技能の指導目標と表裏一体であるというとらえ方で評価する必要がある。したがって,学習活動中の児童の言動のみを表面的にとらえ,見かけ上の関心だけを評価することは,正しい評価とはいえない。「関心・態度」の高まりは,知識・理解及び技能の面からも把握されな


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