研究紀要第69号 「『関心・態度』の評価に関する研究 III」 -009/058page
<表1>情意の階層的深化と「国語に対する関心・態度」の評価目標
目標分析I ※ この<表1>は,第6学年の学年末の評価目標の例である。
段階 目標レベル
(観点目標)行動特徴 国語に対する関心・態度の目標例 内面的 外面的 段
階言語事項 表現 理解 受容 ・適切な場面が与えられれば対象の存在に気づく。 知覚的
(認知的)気づく 興
味
・
関
心・分からない文字や語句があると,すぐ友だちや教師に聞こうとする。 ・表現のすぐれたところに気づき,発表しようとする。 ・教師の誘導によって,その答えをさぐろうとする。 ・機会が与えられれば対象を避けずにこれに注意を向ける。 知覚的
(認知的)注意を向ける ・教師が意図しているところのものに注意を集中する。 熟心に 注意を集中する 反応 ・対象に対して自ら進んで何かをしようとする。 自ら進んで
一生懸命に作業する
協力する
参加する
調べる意
欲
・
態
度・教材にでてくる文字や語句を辞書を用いて調べようとする。
・新しい教材に入ると辞書を利用し,読み方や意味を調べてくる。・新しく覚えた言葉や表現を,自分の表現活動にも取り入れようとする。
・教材文の構成のうまさを,自分の表現活動に生かそうとする。・作品の題名に関心をもち,進んで学習に取り組もうとする。
・筆者の意図をさぐろうとして,文章の構造や語句との関連に目を向けようとする。・対象に対して喜んで反応する。 喜んで 価値付け ・現象・事象に価値があることが分かる。 信念をもって 探究する
追求する習
慣
化・表現したり理解したりするために必要な語句の量を増し,その範囲を広げようとする。
・言葉の乱れた使われ方に対して,それを正そうとする。・表現のしかたの工夫が足りないところを見つけ,より効果的にしようとする。
・日常生活の中で,目的や内容に応じて適切な表現をしようとする。・自分なりに感想や意見を持ちながら読もうとする。
・目的に応じて,必要な本を選び,生活や学習に役立てようとする。・徐々に価値の内面化が進み,自己の評価基準ができてくる。 謙虚に 改め修正する
参考資料 ○金井達蔵 小学校「関心・態度」――その理論と指導と評価――