研究紀要第69号 「『関心・態度』の評価に関する研究 III」 -013/058page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

このような考えから,「関心・態度」の評価の時期については,次の3場面からおさえたい。

ア 単位時間の学習において,それぞれの場面に現れる態度
イ 学習場面を幾度も経ることによって身につく態度
ウ 国語の授業から発展した言語生活的な態度

ここでは,ア及びイの「関心・態度」の評価を重点的に試みた。

(2) 検証授業の指導計画及び評価計画

[1] 指導計画

1  単元名  「情景を想像しながら」
2  題材  「やまなし」(宮沢賢治)
      「希望 小6下」(光村図書)
3  目標

(1) 優れた表現を読み味わい,イメージを豊かに広げることができるようにする。
(2) 聞き手にも場面の情景が伝わるように,抑揚,強弱に注意して朗読することができ るようにする。
(3) 場面を対比してその構成を考え,また,擬声・擬態語,比愉などの効果的な使い方 を理解できるようにする。

4  教材観
「やまなし」は,宮沢賢治独特の言葉で書かれた映像の世界とでもいうべき味わい深い作品である。一つ一つの言葉を大事に扱いながら,「2枚の青いげん灯」の世界を豊かにイメージ化させ,文学の味わいをいっそう深めさせたい。また,擬声・擬態語の効果,巧みな比喩表現などをおさえながら繰り返し朗読させ,言葉の響きやリズム感をとらえさせることをまず考えさせたい。一つ一つの言葉のイメージを広げさせたい。

5  指導計画 (総時数11時間)
(1) 「やまなし」を読んで,初めての感想を書く。………………1時間 (検証授業II)
(2) 初めての感想をもとに,「五月」と「十二月」の学習計画を立てる。………………1時間
(3) 「五月」と「十二月」の登場人物の気持ちと情景の変化を想像豊かに読み取る。………………4時間
・「五月」前半に描かれている世界(1)
・「五月」後半に描かれている世界(1)
・「十二月」前半に描かれている世界(1)
・「十二月」後半に描かれている世界(1)
(4) 「五月」と「十二月」に描かれている世界を対比する。………………………2時間
・「五月」と「十二月」に描かれている2枚の青いげん灯を対比し,まとめる。(1)
・2枚の青いげん灯を対比しまとめたものをもとに発表し,情景の変化を想像豊かに読み取る。(1) (検証授業III)
(5) 「やまなし」という題になっていることについて考える。……………………1時間
(6) 場面の情景が聞き手に伝わるように朗読する。………………………1時間

検証授業IIIの授業風景 「五月」の情景

検証授業IIIの授業風景 「十二月」の情景
検証授業IIIの授業風景
(上「五月」の情景・下「十二月」の情景)


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は福島県教育センターに帰属します。