研究紀要第69号 「『関心・態度』の評価に関する研究 III」 -051/058page

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の評価目標1の場面でも観察者がマイナス・チェックしており,この検証授業の中で多くの問題点があった生徒である。次時の課題把握の段階でも,本時と同様の結果が予想される。指導者の特別指導が必要な生徒であると考えられる。この生徒には授業後特別指導を加え,反省と課題の見通しをもたせた。

全般的に反省の状況は,良好だったようである。しかし,学習カードによる反省は慣れてくると形式的になるきらいがあるとの指摘があった。この評価場面では,学習カードに記入する箇所が多いことや,指導者の話を聞いたり,問いかけに意志表示をする等,数多くのことを短い時間にしなければならないということから,形式的になってしまうのではないかという指摘もあった。このことについては,短い時間の中でも正確に反省できるように学習訓練を積むことも大切である。

体育学習風景

7 見学者の評価について

今回の検証授業では,見学者に対する評価基準は特に設定していなかったが,観察者からは,次のような指摘があった。すなわち評価基準を別に設定する必要があるというものと,この評価基準を準用すれば十分評価できるという二つである。

見学生徒(No.10,技能…低,意欲…低)の見学理由は,軽度の肩の痛みであった。観察者の記録からすると,活動状況は次のようであった。

評価目標1では,学習カードの学習内容の欄には何も記入せず,友人のを見ている。
評価目標2では,ペアの相手や班員に対する補助活動はせず,他の班の見学者と話をしている。
評価目標3では,自分の班に戻り,班員の練習を見て「うまい」とほめたり,自分にとって目新しい技には興味を示している。
補助活動はしていない。
評価目標4では,学習カードの反省欄に「見学だけど,友だちのをてつだった。」と記入し教師の問いかけに1回だけ(教えたり励まし合ったか)挙手した。

この生徒は,班員の練習を観察したり励ました場面もあったが,自分の課題を設定していないということは,問題点として残る。

見学者も無理のない程度に授業に参加させ「関心・態度」を高めるためには,事前に活動可能な内容の確認,指示の徹底を図る必要がある。班別学習において,このことは特に配慮すべき事項と考えられる。

8 単元全体を通しての情意面について

(1) 授業の反省アンケート結果から

授業の反省アンケート様式

授業の反省
  組  番 氏名                    
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
* マット運動の授業について,次の各項目のあてはまる記号に1つだけ○をつけなさい。
1.課題克服するために最後までがんばりましたか。

* がんばった がんばらなかった
班の人が励ましてくれた 班の人たちが協カ的でなかった
先生が指導してくれた 先生があまり指導してくれなかった
自分の能力に合った技を練習したのだからとにかくできるようになりたかった 自分の能力に合わない技を練習したので,できないだろうとあきらめた
その他(            ) その他(           )
2.あなたは技能が向上したと想いますか。

* 向上した 向上しなかった
班の人たちと励まし合って練習したから 班の人たちが協力的でなかったから
先生に指導してもらったから 先生が指導してくれなかったから
自分の能力に合った技を選んだから 自分の能力に合わない技を選んだから
技の要領がよくわかっていたから 技の要領がよくわかっていなかったから
その他(            ) その他(            )
3.1で,がんばらなかったと答えた人の中で,授業の途中で少しはがんばってみようと思って練習したところはありましたか。

* 少しあった 全然なかった
 それはどうしてですか(               )


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