研究紀要第69号 「『関心・態度』の評価に関する研究 III」 -052/058page
<表6> 課題克服のためがんばったか
\ 理由 意欲 \ ア イ ウ エ 合計 がんばった 16 5 18 0 39 がんばらなかった 1 0 0 0 1
<表7> 技能が向上したか
\ 理由 技能 \ ア イ ウ エ オ 合計 技能が向上した 13 4 14 7 0 38 技能が向上しなかった 0 0 0 2 0 2 <表6>,<表7>は授業の反省アンケートを集計したものである。これらの表からわかるように,ほとんどの生徒ががんばり,技能が向上したと自己評価している。この要因は[1]自分の能力に合った技を自ら選んで挑戦した。[2]班の人と励まし合った。[3]先生が指導してくれた。ということであった。やはり一人一人の能力に合った技に挑戦し,協力し合えば,意欲が増し,技能の向上にもつながるということを生徒自身も感受していたということであろう。
この中でがんばらなかったと答えた1名の生徒は,ペアの相手が協力的でなかった。また,技能が向上しなかったと答えた2名の生徒は,技の要領がよく理解できなかったということであった。今後の指導で,改善を図る必要がある。
(2) 学習カードの感想文から
<表8> 学習の進め方
時間 内容 1 班編成,今できる技の確認 2 今できる技を使っての連続技 3 練習すればできそうな新しい技の練習 4 新しい技を組み合わせた連続技 5 発表会
<表9> ある生徒の感想文
<表9>は<表8>の学習の進め方による,ある生徒の1時間目から5時間目までの感想文である。 の部分が情意的表現ととらえることができる。この生徒の場合,1時間ごとに学習内容に対応して情意面の高まりを読みとることができる。感想文の中から,認知・技能面とともに情意面の記述を見い出すことにより,生徒のつまずきや喜びをとらえることができる。この感想文に対して指導者が必ずコメントをつけ加えることが大切である。このような積み重ねが情意面の高まりを促すことにつながると考えられる。特に班別・ペア学習において,生徒の実態をより的確に把握するということからも重要と考えられる。