研究紀要第70号 「事例を通した教育相談の進め方に関する研究 第1年次」 -003/071page

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不快を感じること(強迫的観念)。また、この考えと関連して無意味な行為をせずにはいられないこと(強迫的行為)である。
 例えば、意味もなく目につく物を数えなければ気がすまないとか、手を長時間洗い続けるなどの行為である。

<チック(チック症)>

 身体の一部に不随意に繰り返される急な動きで、例えば、まばたき、顔しかめ、頭・首・手足等を振る、肩をすくめるなどである。また、舌打ち、のど鳴らし、奇声を出す、ひわいな言葉を口にすることなどもある。

<抜毛(ぱつもう)(抜毛症)>

 女子に多い神経症性の習癖で、繰り返し自らの頭髪、眉毛、まつ毛、うぶ毛などを抜く。

<おもらし(昼間遺尿)>

 器質的に問題はないが、心因的な原因により不随意に排尿する。

<頻尿>

 心因的な原因によって頻繁に尿意を催し、排尿を繰り返す。
 「例えば、不得意科目や苦手な教師等の授業の開始時などにしばしばみられる。

<神経性の下痢・便秘(過敏性大腸症候群)>

 器質的障害や細菌性などの問題を伴わない下痢・便秘であり、精神的な不安や緊張によって誘発されやすい。例えば、テストや学校行事等の前、登校時(朝)などにみられる場合が多い。

<神経性嘔(おう)吐(神経性嘔(おう)吐症)>

 器質的な障害、有毒物や腐敗した食物等の問題が関係せず、不安や不満など心因的な原因によって生じる嘔(おう)吐である。
 例えば、学校での友人関係、家庭での不満などが原因となり、登校時や学校行事の時などにみられることがある。

<神経性食欲不振(神経性無食欲症)>

 主として思春期の女子に多い摂食に関する問題行動で、摂食態度の異常(何も食べないという事実以外に、時には隠れ食いする、食べた後で無理に嘔(おう)吐する、下剤を服用するなど)、極度のやせ、無月経などが主たる症状である。

<家出>

 家庭や学校などが関係して生じた不安を自分の世界に浸ることによって解消するために家を出ることである。この場合、往々にして反社会的行動を伴うことがある。

<物質常用>

 児童生徒の喫煙、飲酒や有機溶剤、接着剤等の吸引である。
 これらは、社会的規範という観点からみると反社会的行動になるが、背景に不安が存在し、これを解消するため自分自身をなぐさめていることとみなした場合は、非社会的行動ととらえることができる。


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