研究紀要第70号 「事例を通した教育相談の進め方に関する研究 第1年次」 -027/071page

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家族関係システム

● 家族関係システム

家族構成

父親と子どもとの関係が薄く、夫婦間のきずなも弱い。母・A男と祖母の関係も悪い。

● 家族成員の性格と養育態度

親子関係診断検査(田研式)

  父親:資産家の養子ということで、祖母に頭があがらない。しかし、子どもの問題を祖母に指摘されると子どもにつらくあたる。家庭では言葉が少なく、子どもの話し相手をしていないなど、養育については関心が薄い。

 母親:祖母の養育態度に不満を抱いている。その反動として祖母に反抗し、自分に従順なA男を「A男ちゃん」とよび溺愛する。過保護、過支配矛盾型の養育態度である。

 祖母:家事一切をしている。気丈で負けん気の強い性格で、養育の中心である。身体が思うように動かないこともあって、A男の行動を制限するようなかかわりが多かった。

 家族全体が女の子をほしかったため、4歳まで女装をさせて育て、わがまま、乱暴なことを極力押さえ、おしとやかに振る舞うことを強制していた。

5.診   断

家庭内の人間関係


 家庭内における養育の矛盾、不一致加えて極度の過支配、過保護、過干渉の養育態度、また女の子としての養育、更に家庭内の人間関係のまずさなどから、A男は情緒的に不安定をきたした。このことなどが対人間関係能力の未熟さにつながっている。
 以上のことが背景となり、学校生活に不適応をきたし、その結果チック症状が形成されたものと考えられる。
 チック症状に対する周囲の無理解や対応の不適切さが、更に症状を悪化させたものと思われる。
 別の視点からみると、A男のチックは、「おばあちゃんとお母さん仲良くして」「お父さん強くなって」というサインであり、家族の問題を表現したものとも思われる。

6.指導仮説

 主な指導事項は、


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