研究紀要第70号 「事例を通した教育相談の進め方に関する研究 第1年次」 -040/071page

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現在に至るまでの経過

養護教諭と当教育相談部と連携しながら指導援助にあたる。

● 本人に対し(当教育相談部で)

(1)カウンセリングを通して、自分の性格が頻尿に結びついていることに気づかせる。また、運動療法を加味して頻尿による情緒的混乱を安定させる。
(2)自律訓練法を用いて身体症状を軽減させる。
(3)自分の尿意が起きる条件について自覚させる。

● 家庭に対し(当教育相談部で)

(4)母親との面接を通し両親の養育態度(放任、過干渉、拒否など)の改善をはかる。

● 学校では

(5)尿意に対する予期不安を与えないようにするため校内での環境を調整する。

 以上のような指導援助をすれば、本人の身体症状、問題行動が改善されると考えられる。

7.指導援助の経過

(1)性格が頻尿に結びついていることに気づかせることと運動療法。

● カウンセリング(C:本人、T:カウンセラー)

C:授業中、急にトイレに行きたくなるの。
T:どんな授業のときかな?
C:いやだなあと思う授業のときが多いの。
T:いつも、そんなふうになるの?
C:私はかなり細かいこと、小さいことを気にしたり、思ったことをはっきり言えずがまんしてしまう……。私の性格みたいなの。
T:そうなの‥‥‥。
C:そんな私の性格が頻尿に関係あるのかな‥…。
T:なるほど……。
C:あまり周りのことを気にしないで少し伸び伸びやってみようかな。言いたいことも言うようにして……。

 面接の回数を重ねるごとに表情も明るくなり、自分の考えをも言うようになった。

● バドミントン

 最初は自信なさそうであったが次第に積極的なプレーが多くなった。
(2)自律訓練法を用いて身体症状を軽減させる。家でも毎日2回ずつ練習させた結果、頭痛、左下腹部痛、疲労感が軽減した。温感訓練では皮ふ温が33℃から35℃にあがることを体験した。
(3)自分の尿意が起きる条件について自覚させる。

 面接時に紅茶(利尿効果がある)200c.c.を自然な


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