研究紀要第70号 「事例を通した教育相談の進め方に関する研究 第1年次」 -043/071page

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 ・ 自己中心的な傾向がうかがえる。

―社会的次元―

 ● 家族構成

家族構成

● 家族の性格と養育態度 5.診   断

 本人は、祖母の溺愛や両親の拒否的な養育態度などにより、神経質な性格が形成されたものと思われる。また、両親の周囲を気にし緊張する傾向を受け継いだものと考えられる。そのため、緊張場面に出合うと身体的に弱かった消化器関係の問題が生じたものと思慮される。現在の問題の背景には、心のよりどころとなっていた姉や祖母との接触が少なくなったことがうかがえる。

6.指導仮説

 学校、専門医、当教育相談部が連携して指導援助に当たる。
 学校は主に環境調整、専門医は医学的なアプローチ、当教育相談部は心理面での援助と家庭内の環境調整に当たる。

(1)本人の精神の安定をはかるため、自律訓練法を指導する。
(2)家庭環境の調整について指導援助をする。
  1. 父親が本人の養育に消極的なので、積極的にかかわるよう依頼する。
  2. 母親には、本人に十分かかわるよう依頼する。
  3. 姉が通学可能な学校なので、一時本人の症状改善まで自宅より通学してもらう。
  4. 祖母には病院から時々帰宅してもらう。
(3)学校では環境調整をする。

 本人の納得の上で、しばらくの間次のことを実施する。


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